1-Downloads2-001監査一部門の清岡です。

一般的に、ほとんどの方が「自分は粉飾決算に関係ない」と思っていることでしょう。しかし、気付いていないだけで、実は知らず知らずのうちに粉飾決算に巻き込まれている、ということがあります。

 

例えば、初めての取引先の業績確認のための決算書や、株式投資の参考資料としての決算書、または、自社の関連企業や支店の決算書など。こういった書類で粉飾決算をしており、それらを参考にしている場合が当てはまります。

 

このような場合には、「こちらに公開されている情報だから、与えられた資料は正しい」と思い込むと、意外と粉飾決算に気が付かないものです。しかし、それでは正しい判断ができず、自分が損をしてしまう事もあります。

 

そこで、少しでも粉飾決算を見抜く術を知ることにより、リスクの回避が出来ればと思い、ごく一部ですが参考までに記載しておきます。

 
 

1.売上の架空計上
 

これが一番簡単で、一行の仕訳を入れるだけです。

売掛金 500万円/ 売上 500万円

これだけで、売上高が500万円の水増しです。

但し、ここで計上された売掛金が回収される事はありませんので、同じ事を3年も続けると、回収されない売掛金1,500万円がいつまでも残ってしまいます。

 

同じような方法として前受金を売上に計上したり、大口の貸倒れの発生を隠ぺいして、そのまま売掛金としておくなどの手段があります。

 
 

2.棚卸の水増し

これも同じですね。

商品 500万円/ 期末棚卸 500万円

これで、原価が500万円減って、その分利益が増加した事になります。

このような場合には、損益計算書だけでなく貸借対照表も注目し、売上高の割合に対して売掛金の残高は多すぎないか、また、前年以前の原価率に比べて大きく変動していないかを見ます。

また、決算書の営業利益は出ているが、キャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローがマイナスになっている場合にも注意が必要です。

 
 

これらの指標を総合的に判断することにより、粉飾決算をある程度は見抜くことが出来るのです。

 

以前のブログにも書いた通り、結局は、一つの指標だけではなくて総合的に判断する必要があるのです。
それと、間違いを疑ってみることです。
正しいと信じて見るものと、間違っているのかもと見るのでは、意外と違う見え方がします。

間違っていると思い見ていると、疑問がでます。その疑問を解決するために、複合的な分析をしてみます。すると、疑問が解消されたり、または作為的な数字の改ざんに気付く事に繋がるのです。

 

次回には、より詳しい判断指標について記載します。

  
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