kaeru 毎月、顧問先の月次資料を見ながら、一ヶ月の経営実績を見ていくのですが、何をどのように見ているのかというと、基本的にはその月の予算と前年同月の数値との比較です。予算との比較は、その会社が行きたいところへ到達できる方向へ向かっているのか?そして、前年同月との比較は、前期よりも数値的に良くなっているのか、それとも悪くなっているのか?という事をチェックします。

 

しかし、一年もたつと経営の外部環境も少し変わってきており、内部環境も当然変わってきています。特に内部環境は、確実に経営者も従業員も絶対に年齢がひとつ増える。それによって、言い方悪いかも知れませんが、じじい、ばばあ、に向かうということ(ちょっと悪すぎましたか・・・)。外部環境の変化なんぞは、ここ最近ジェットコースター状態で、世界中の何らかの変化が、直接的・間接的に玉突き状態で影響してきたり、その影響が向かい風に働いたり、追い風に働いたりで、それを直接どうする術もなく、自社の経営を考えていくという状況です。

 

そういう状況であっても、目標に向かい着実に進めていくという事は非常に重要なことなのですが、先ほどの月次状態をチェOBックするという時に、よくあるやり取りがあります。

 

  私 :今月の売上は前年同月と比較すると、1%程低いですね。それ
     で目標値との乖離は3%落としています。何かその要因は?
  社長:まあ前年比99%ですから、特別な要因はありません。
     努力不足ですかね・・・。
  私 :しかし、先月も2%程低かったのですがね。
  社長:まあそれもそうですが。
  私 :経費は電力費が前年より5万円ほど上がっていますね。使用量は調べていますか?
  社長:まあ電力費の単価がアップした分でしょう。
  私 :他の経費関係も下がっている経費もありますが、上がっている経費の方が多いですよ。
     個別になぜ上がっているのか調べていますか?
  社長:まあ、上がっているといっても、物価が少し上がっている影響だと思います。
  私 :売上が下がって、原価率が上がり、固定費が少しであっても上がっているということを
     見ると、目標から大きくずれて着地します。
  社長:まあ、何とか努力します。はい。

 

こんな対話が良く出ます。そういう事でその対策について色々と実行すべき事は多くあるのですが、社長はなかなか動き出せません。もちろん、売上が前年比50%、目標達成率45%です!どうなっているのですか?となると、早急に手を打とうと考え動き出すのでしょうが、その変化が小さく一時のことだろうと、安易に進んでいくという状態なのです。

 

mieruka これはズバリ「ゆで蛙」状態です。手も足も浸けれない温度のお湯に蛙を入れようとすると、びっくりしてそのお湯に入らないのですが、水の状態から入っている蛙をゆっくり熱して熱くしていくと、あまりにもいいお湯加減で、ゆっくり温泉気分。そのまま温度になれてきて、気がついたときにはゆで蛙・・・。これは作り話で、たぶんこんな蛙は居ないと思いますが、経営者には多く見かけます。このような経営者がやっている経営を「ゆで蛙経営」と勝手に言っております。

 

ゆで蛙経営にならないように、内部環境の変化と外部環境からの影響も踏まえた自社の状況把握を、感覚ではなく、客観的かつ早期に行う必要が、これからより求められます。気がついたときには、手も足も動かない状態!っていうのは避けたいですね。

 

やこやこ

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