監査業務第一課の加藤です。

2017年7月1日。金融庁長官人事が森信親長官で三年目の続投となりました。通常は二年で交代するといわれている長官人事が、三年目も続投するというのは、きわめて異例のことだと言われています。森金融庁長官が推進してきた抜本的な金融行政改革が功を奏しつつあるという裏付けでもあるのでしょう。

 

森金融庁が推めてきた金融行政改革とは。

・ 「不良債権処理官庁」からの脱却。
・ 経済成長に責任を持った金融行政の執行。
・ 担保・保証に依存しない融資スタンスへの転換。
・ 過去の実績や財務に必要以上に依存しない企業評価。
・ 事業性評価という視点を取り入れた融資。
・ 「金融検査マニュアル」は事実上廃止。

など、これまでの金融行政のあり方を180度変えてしまうものでした。

 

「金融庁職員の一人一人が、省益ではなく『国益への貢献』を追求し、困難な課題にも主体的に取り組んでいく」という号令の下、金融庁の職員はもとより、全国の金融機関の職務に従事するすべての人たちが、意識改革を迫られたのです。

 

かの悪名高き(?)金融検査マニュアルは、事実上廃止となり、かつて、一世を風靡した「倍返しだ!」でおなじみの「半沢直樹」で描かれた世界は、既に過去のもの。勧善懲悪のご都合主義的時代劇風に演出されていたドラマは、ドラマそのものが歴史時代劇と化してしまいました。

 

そして、いよいよ、金融庁は、長らく銀行を苦しめてきた検査マニュアルの廃止だけではなく、本丸の「検査局」自体を廃止する動きへと移っていきます。
 
2017年08月22日付けの日本経済新聞の記事の見出しには、こうありました。

 

「金融庁、検査局を廃止」

 

不良債権処分庁からの完全なる卒業? さもありなん。
しかし、検査局廃止の目的は、「適切な融資や信頼される商品づくりで経済成長を後押しする行政へ転じる」こと。その理念を明確に打ち出した政策が、国民のもとに提示されたのです。

 

来年の夏を目処に、検査局は廃止となり、その主な権限は監督局へと移ることになります。検査の主流は、金融機関との対話の重視。行政と金融機関の経営との間に対話が生まれることによって融資機会を模索するのが狙いだとか。

 

これまでの強権的権力の発動によって不良債権処理を厳しく迫られていた金融機関にとって、にわかに「対話」と言われてもその言葉に違和感を覚えなくもないのではないかと思うのですが、逆に、厳格な不良債権処理行政を盾に、リスク回避という建前を掲げて融資可能性の高い企業を排除してきたのも金融機関。その悪しき慣習は今なお根強く残っているという事実を踏まえつつ、行政と金融機関との対話の実現によって、それがどれほど解消されていくのかも期待されるところでもあります。

 

いよいよ金融行政改革の総仕上げにかかり始めた森金融庁。
その動向は刮目に値するのではないでしょうか。

  
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