みなさまこんにちは、社員税理士の光島です。

夏から秋にかけてのシーズンは、調査の依頼の電話が結構かかってくるものです。調査の対象となる会社も様々、調査官も様々、税務調査の立ち合いをしておりますと、いろいろなことが見えてきます。

税務調査は、その性質上「過去に行われた」経済取引に対して、税務上、正しく処理されているかが確認されます。

ここでのポイントは、「過去」です!

税務調査は、現在進行形で「今」起こっている出来事ですが、その対象となる経済取引は「過去」の出来事です。この「過去」の出来事としての記録にいかに語らせるかが、アンサーとしてのポイントになります。

 

アンサーとして何を書くべきか、見ていきましょう!
 
現金出納帳には数種類の取引が混在しますが、今回は、預金等資金振替以外の「現金入金取引」に注目してみましょう。

税務はいつも、収入や売上を確定するところから始まります。
ここが正しく記帳されていないと、会社全体の記帳の「信頼性」が失われかねません。
 
現金出納帳に現金入金が記帳されるまでの流れは以下の通りです。

1.お客様とのやり取りを記録する
2.1日の記録を集計する
3.現金出納帳に本日売上等として入金欄に記載する
4.その日の入金額をそのまま銀行に入金する

各シーンでの注意点と記録すべきことを確認しましょう。

 

1.お客様とのやり取りを記録する

「現金入金取引」の特徴を記録します

・ 日付 → 実際にお客様とやり取りした日付を記録しましょう
・ 品名 → 「商品〇〇」や「〇月分商品販売売上」 等 具体的に記録しましょう
・ 数量 → やり取りした数を記入しましょう
・ 摘要 → その日に入金にならない(いわゆる売掛金)等 適宜記入しましょう

この、「お客様とのやり取りを記録する」用紙には、通し番号があるものが望ましいです。
これは、売上が漏れてませんよということを担保する、テクニックの一つです。
どのような伝票でも、「通し番号」のある伝票は、非常に信頼性が高いので、覚えておきましょう!

 

2.1日の記録を集計する

お客様とのやり取りを記録した用紙を集計します。

当日売上即日入金 → 当日現金売上です
当日売上後日入金 → 当日に売上にはなるが、当日の入金がなく後日に入金となるものです
過去売上当日入金 → 過去の売上であるが、当日に入金になったものです

この3種類の取引は、厳密に区分してください。
これが、きちんと区分できていないと、売上が計上漏れとなったり、二重に計算されるなど正確に計算できなくなります。

 

3.現金出納帳に本日売上・本日売掛金入金として入金欄に記載する

現金出納帳には、上記2.の区分の内、当日入金になったものを、「本日売上」・「本日売掛金入金」として合計で記入してください。
ここで、すべての取引を個別に記帳しても構いませんが、別途集計しているものがあるのであれば、現金出納帳にはできるだけシンプルに記入するほうが分かり易いです。

 

4.その日の現金売上および売掛金入金をそのまま銀行に入金する

ポイントは、その日に受け取った現金を「全額入金」することです。
現金なので、小口の経費等で利用することも可能ですが、差額の入金になると、計算間違いや、入金の明細が見えづらくなってしまいます。できるだけ、全額入金するように心がけましょう。

 

これで、現金入金取引は完璧です、税務署に対する印象もなかなかのものでしょう。
きちっと記帳していることは、積極的にアピールすべきです。

ただし、アピールとは、その場でしゃべるのではなく、過去の記録に語らせるほうが力があります!

次回は、現金出金についてお話しいたしましょう!では!

  
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