ある日、家に帰ってみると、部屋には大量の武器と弾薬、爆弾の材料が届けられていた。そして、突然かかってきた謎の女からの電話。

「30秒後にFBIがあなたを逮捕しにやって来るわ。今すぐ逃げなさい」

「ええっ! そんなん急に言われても無理ですわぁ~」なんて断ろうものなら最後、あなたが命を落とすか、身内の誰かが命を落とします。断らなかったら・・・それでも警察とFBIを相手に、街中でド派手なカーチェイスをやらされ、強盗をやらされ、あげくの果てに、テロリストのレッテルをはられての逃亡生活。

どっちに転んでも最悪の事態に陥る理不尽な事件に巻き込まれたのは、人生前向きに生きられない青年と、幼い息子を抱えて生きるシングルマサー。互いの素性も知らぬ男と女が、市中の電光掲示板や携帯電話など、あらゆるデジタルツールを使って発信される謎の女からの指示に従いながら、事件の真相に迫っていくサスペンス。謎の女の目的は何なのか。その正体は・・・。

eagle.eye2.jpg謎の女がナビゲートするポルシェ・カイエンを操り、シカゴの街中で繰り広げられるクラッシュ続出のカーチェイスや、ワシントンDCが戦場と化すクライマックスは迫力があるし、謎に迫っていく過程で青年とシングルマザーの生き様が浮き彫りにされていく様はロードムービー的で面白いのですが、なんか物足りなさを感じてしまったこの作品。それは、この映画の最大のテーマである「デジタル・テクノロジーへの脅威」が身近に感じられなかった事にあります。テクノロジーの氾濫する時代だからこそ起こり得る可能性を示唆しているものの、起こっている事のスケールが大きすぎて、少なくとも私たちの周りでは起こり得ないであろうなあという冷めた感が私の中にありました。劇場を出た後、携帯電話に謎の女からの着信が・・・てな具合に、恐くなって電話に出れないくらいの説得力があればよかったのですが・・・。

それに、主役である二人の民間人が、ダイハード的過酷な状況の中で、かすり傷程度で済んでいるってのもちょっとなあ・・・。不死身男ジョン・マクレーン刑事が怒りますよ。

写真はアンジェリーナ・ジョリーの元夫、ビリー・ボブ・ソーントン演じるFBI捜査官。この人、5回も結婚してるんだそうな。才能のある人って違いますなあ。

  
コメント

2 thoughts on “二進法時代のハイテク女王様には絶対服従するしかないのか!? 「イーグル・アイ」

  • たまちゃん より:

    ふ~ん、なるほど。
    この映画も気になってました。
    こういうサスペンスものは大好きなんですけど、確かに実生活とかなりかけ離れてますもんね。
    この秋は観たい映画がいっぱいです。
    何本、観られるかな?

  • かとお ふみなり より:

    そうですね。指折り数えたら片手じゃ収まりませんでした。
    「イーグル・アイ」もしご覧になるのでしたら、プライオリティは3番目か4番目というところでしょうか。

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