監査一部門の清岡です。

今回は、自社の在庫変化を見てみましょう。

もちろん、実地棚卸を行なっていることが前提となります。

「うちの会社は実地棚卸なんてやってないよ」と言われる社長、危険ですよ!!

 

◆ 実地棚卸の必要性

「棚卸(在庫) = 現金」と思って下さい。(販売すれば現金となります。)

どんな会社でも、毎日の現金残高と帳簿残高が合わないと原因の追究に必死になると思います。棚卸も現金と同じと考えればもっと慎重になるはずです。

現金と同じであれば、実地棚卸と帳簿上の棚卸金額との差異を必死に追求するはずです。

そして、その在庫の差異には様々な理由があります。

例えば、倉庫や物流の仕組みが悪い、作業者が忙しくてデータの入力漏れ・入力間違いが起こる、など、会社のどこかの仕組みの悪さや意識の低さが招いているのです。実地棚卸には、そういった会社の悪さを浮き彫りにする効果もあります。

逆に言えば、実地棚卸を行わないとそういった会社の欠点に気付かずにズルズルと年月を重ねてしまい、大きな損失を招く可能性があります。

まずは、今月から実地棚卸を行なってみましょう!!
 

本題にはいります。

以下に、A社のバランスシートと売上高が2期分出ています。
A社の在庫水準は適正でしょうか?


 

《 結 果 》

A社の在庫は、適正水準を超えていると考えられます。

それでは、分析をしてみましょう。

■  A社の在庫増加(20億円→30億円)は、売上不振が原因

売上は変わらないのに、在庫が増加しています。売上が変わらなければ、普通は在庫を増やす必要がありません。平成25年3月期に売上の増加を予測して仕入または生産を増やしたのに、売上が増えず売れ残った商品が在庫の増加につながっていると考えられます。

また、在庫が10億円増加したため、現預金が減少(10億円→0円)しています。手持ちのキャッシュが全くないのは問題なので、借入金等でキャッシュの調達が必要になります。

 

■  A社の平成26年3月期売上高が5割増加するなら問題はない

A社の在庫は、20億円→30億円と5割増加しています。A社売上が平成26年3月期に5割増加して120億円→180億円になることが確実であり、それに備えて平成25年3月末に意図的に在庫を増やしているのならば、在庫水準に問題ありません。

ただ、それだけ急激な売上の成長が確実ならば、買掛金や売掛金、固定資産も増えている方が自然です。在庫だけが5割増加している現状を見ると、売上が計画以下で、意図せざる在庫が積みあがっていると判断した方が良さそうです。

今回のケースは極端な例ですが、自社の決算書も同じように比較してみましょう。

 

《 まとめ 》

在庫の増加は、経営悪化のシグナル。

特に、売上が増えていない中で、在庫が増加していたら要注意です。

ただし、売上増加にともなって在庫が増えるのは当然です。小売業で、売上高や店の数が10%増えて在庫が10%増えるなら、問題ありません。

監査一部門 : 清 岡

  
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