DSCF0936-1.JPG灰色の雲が、西の空を覆っている。

ディズニー・リゾート2日目。「恐怖の塔」から無事生還した私と父と妹の三人は、次なる冒険「地球の中心」へと向かっていた。

地底の旅は雨に濡れない。そう高を括っていた私たちの見積りは甘かった。

猛スピードで地底トンネルを走り抜ける探索車が地上へ飛び出した瞬間、滝のような激しい雨に、全身を打たれた。

「夕立にやられた・・・」

 

 

ずぶ濡れになった体を引きずりながら、別行動をしている母と私の相方を捜す。洞窟内は、夕立にやられた人々であふれかえっていた。 

 

DSCF0938-1.JPG夕立とともに、雷が激しく攻撃してきた。

「大丈夫か!」

雷鳴が轟く中、私たちは再会した。互いの無事を確認し、次なる冒険のステージへと向かう。

雷は衰えを見せず、ますます激しくディズニー・リゾートを攻撃してくる。

「夕立やろ。すぐ止むで」

しばらくして雨は止み、人々はそれぞれの冒険に旅立っていった。

 

「次、なにしょーか」

考えていた私の耳に、とんでもない情報が飛び込んできた。

『システムダウン! アトラクション休止』 

近くにあったインフォメーションボードに駆け寄る。

落雷によるダメージか。独立した機関を持つ船や車を除き、ほとんどのアトラクションが、システム調整のため一時休止した。ディズニーのマジックでもってしても、自然の力には勝てなかった。そんな現実をまざまざと見せつけられた瞬間。

行き場を失い、ただひたすらさまよう人々。 時折、ブツブツと文句をいいながら歩いている人もいる。しかし、ほとんどの人が笑顔を絶やさない。西日が差し込み、雨上がり独特のじめじめとした空気の中にあっても、皆一様に笑顔で歩いている。少しでも早い復旧を願いながら。

たとえアトラクションが動かなくても、そこにいるだけで楽しい。自然の力をもってしても、奪い去る事のできなかった人々の笑顔。ディズニーのマジックの真価がそこにあった。

2時間後、ほとんどのアトラクションが復旧した。

 

DSCF9659-1.JPG夜になる頃には、誰もが昼間の事など忘れていた。

「楽しかったわ~」

齢69歳にしてディズニー・リゾート初デビューの父が、楽しそうに語る。ディズニー・リゾートでの冒険を、誰よりも切望していた父。満足してくれて何よりだ。

土産のつまった袋を手にした私たちは、「恐怖の塔」からこだまする絶叫を背に受けながら、冒険の書を閉じた。

いつかまた、この冒険の書を開く時が来るだろうか・・・。


  
コメント

3 thoughts on “夏のディズニー・リゾート、夕立に襲われる

  • スタッフ某 より:

    今年の夏は、多かったですよねぇ~
    ゲリラ豪雨

  • スタッフ某 より:

    今日は大阪の南のほうへ行ってきました。
    すごい豪雨でした。
    地球温暖化なのか?

  • ひでじろう より:

    話題になった本で「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」てのがありますね。
    そうかと思えば「“環境問題のウソ”のウソ」ていう本もでました。
    なにが真実なのか、誰か教えて。
    ちなみに、温暖化と環境問題が最近はごっちゃになっています。
    「温暖化のウソと真実」ていう本もあります。もうなにがなんだか。

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