オペレーション部門の須藤です。
半年ほど前ですが、門真市にある松下幸之助歴史館(パナソニックミュージアム)に行ってきました。
 
歴史館は松下幸之助氏の94年の生涯を時系列に展示している施設で、節目となる年代ごとに、どんな状況で何をしたかが建物や製品と共に展示されています。
 
もともと地主の子供として和歌山の裕福な家庭に産まれた幸之助ですが、父親が米相場に失敗し、9歳で大阪の火鉢店に丁稚奉公に出されます。9歳と言えば、いまの小学校4年生でしょうか。そこが3ヶ月ほどで廃業したため、自転車屋に移りました。
 

その五代自転車商会で礼儀作法と商いの基本を学び、5年たったころに大阪電燈(今の関西電力)に転職。さらに自作の改良ソケットを製造するため独立するも、商品が売れず資金が底をつく。いくつもの苦難がありましたが、アイデアを出し根気よく努力や工夫を凝らすことにより軌道に乗ります。「どうすれば人々に喜ばれるか」と砲弾型電池式ランプやナショナルランプなどの商品を考案。信念に基づく粘り強い姿勢で「成功とは成功するまで続けること」の言葉に重みがあります。
 
1929年には事業に対する使命感を「綱領・信条」に明文化。判断にブレがなくなります。
1936年に発表された「商売戦術三十か条」には商売の基本が書かれており、今でも充分に通用します。
 
世界恐慌時や戦時下も、従業員の雇用を守りイベント等で士気を上げることに腐心。従業員の育成にも熱心でした。週休二日制を取り入れたのは1965年。休みのうち一日を休養に、もう一日を自己啓発に充てるよう要望したそうです。二日とも休養に充てている私は要反省ですね。笑
 

代理店とも真摯に向き合い、100人ほどの前で話す懇談会でも出席者ひとりひとりの顔が見えるよう、壇の高さや椅子の配置を何度も変えます。「腹を割って話し合いたい」と三日にわたって激論を交わし、お互いに納得し前を向ける懇談会となったそうです。
 
要所要所に置かれている「ことばカード」。
幸之助氏の思いが書かれており、そのひとつひとつがスッと心に入ってきます。「高い志」と「利他の心」を持ち、研究熱心で努力を怠らない。私の中の幸之助像です。
 
実は今回のコラムを書くにあたって、四月に再訪問しました。新たな気づきもあり、また二時間以上滞在しました。なんだか落ち着くこの空間、再々訪問もあるかもです。
 
【おまけ】

歴史館の隣にある ものづくりイズム館。
1970年開催の大阪万博「サンヨー館」で展示された人間洗濯機がありました。実物を見るのは初めて。

  
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