監査業務第1課の加藤です。

地銀再編関連のニュースも少しは落ち着きを取り戻してきたかのようにみえたところに、大きなニュースが飛び込んできました。
 

「関西地銀3行経営統合を発表」

 
三井住友FGの傘下である「関西アーバン銀行」「みなと銀行」と、りそなHD傘下の「近畿大阪銀行」が、親会社の枠を越えての経営統合に踏み切りました。
 
大阪や滋賀を基盤とする「関西アーバン銀行」、兵庫県下を基盤とする「みなと銀行」、大阪を中心とする「近畿大阪銀行」。関西では名の通った看板地銀3行が統合するとなると、関西一円をカバーする地域金融基盤が確立されることになります。
 
統合へ向けては、りそなが過半数を、三井住友が20%出資する中間持ち株会社が設立され、三行はその傘下に入る。また、統合に先駆けては、りそな系の近畿大阪と三井住友系の関西アーバン銀行が合併することも検討されており、実質的に三井住友が二行を手放した形での統合となる。
 
りそなHDは、公的資金注入によって再生を果たした銀行ではありますが、その過程において取り組んだオペレーション改革から、業務改善効率の高さは同業他行よりも高い水準を誇っています。その戦略的観点から、りそなHDは地銀再編の先導役になるとも言われていただけに、今回の経営統合は、理にかなったものと言えるかもしれません。

 

金融再編が再び加速し始める兆しがあるその背景には、金融機関を取り巻く環境の激変があるからです。
リーマンショック以降、下がり続ける貸出金利。そこへ来て、昨年1月に導入されたマイナス金利の影響。貸したくても資金の供給先見つける事ができない。さらに、金融行政の方向転換やフィンテックなどの技術革新という脅威にさらされる。もはや、単なる統合による「規模の経済」を効かせるだけでは、利ざや稼ぎが困難になって来ている今、単なる量的な統合だけでは生き残れなくなって来ているという現状もあります。量よりも質。統合の可能性が見いだせない金融機関は、新たなビジネスモデルを構築しなければならないなど、銀行業界は、その旧態依然とした体制から変わる事を求められているのです。
 
そして、何よりもなお、そのような金融動向の変化に目を向け、取引銀行との資金調達折衝や事業計画を策定する場面で活かしていかなければならないのが経営者の仕事でもあります。これまでの金融動向とは、一線を画すものへと変化していますので、資金を借りる立場としても、既存の概念を捨て、変化に対応した企業経営を目指さなければならない必要に迫られるかもしれません。

 

最新の金融動向や事業再生、事業計画に関する内容については、これから数回にわたってご紹介をしていきます。

  
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