不安定な経営、そして資金繰りに走る日々からの脱却

 

とあるクライアントにて、最近の資金繰りの状況について会話をしていた時のこと。

社長さんがこんな事を言いました。

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「今までは “ 自転車操業 ” やったけど、
 
        今は “ バイク操業 ” ぐらいにはなったかな」

 

自転車というのはペダルを漕ぎ続けることでしか、安定した走行ができない。

だから、一旦漕ぐのをやめると、バランスを失って転倒してしまう。

資金の借入と返済を繰り返しながら、バランスよく操業を続けなければ、たちまちのうちに倒産してしまう会社経営の状態、ということです。

 

自転車を必死に漕ぐかのように資金繰りに苦心しながら会社を維持してきた社長さんが、ペダルではなくてエンジンを使って走れるぐらいの余裕が出てきた。ここにきてようやく一息つけるぐらいにまで業績が回復してきたんだという思いが、先の言葉ににじみ出ているような気がします。

 

その数日後、また別のクライアントさんでの話。

やはり資金繰りの話になったとき、その会社の財務を担当する方がこんなことを言いました。

 

e01d00ce9a5d75249e8254fa2f64bc3a_s「自転車操業から、バイクに乗り換えたぐらい楽になったかな」

思わず膝を打つ私。

「その言葉! この間、同じことを仰ってたところがありましたよ」

業種も異なる全く別々の会社が、同じような好況感を持っていたという偶然。既視感にも似た感覚を味わいながらも、その例えの巧さに感心せずにはいられなかったのです。

 

8e0f2c9810196080f0c33a4883121e89_sとは言うものの、どちらの会社も手放しで業績回復を待ち望んでいたわけではありません。自転車からバイクに乗り換えることができたのは、社長さんがしっかりとハンドルを握り締め、しかるべき方向へと会社を導いてきたからです。そのスピードは決して速いとはいえません。しかし、焦らず、コツコツとやり遂げてきた成果として、今の会社の姿がある。

 

クライアントさんの喜ぶ姿を見ていると、好業績の風を受けながら、バイクで疾走する姿が目に浮かんできます。

 

国が推進する成長戦略に乗って、今こそ経営力の強化を!

 

自転車操業からバイク操業へ。

日々監査訪問して感じるのは、多くの経営者の方が、景況が好転しつつあると感じ取っていることです。

アベノミクスの掲げる成長戦略がようやく浸透し、効果が出て来たということでしょうか。

 

①日本政策金融公庫の新しい融資制度「中小企業経営力強化資金」
 

さて、その成長戦略にも関連する、政策的な融資制度があります。

現在、日本政策金融公庫に新設された融資制度「中小企業経営力強化資金」のお話です。

なぜ、公庫の融資制度を当事務所が推進するのか。

この制度は、日本政策金融公庫と認定支援機関である当事務所が連携して、経営と資金繰りを支援するという、画期的な融資制度だからです。

 

②認定支援機関による事業計画の策定支援を受けて
 

77d32c0a7334b73c520455e6cb5685f0_s融資の特徴としては、まず、事業計画を策定します。

創業して新たなビジネス市場を生み出したり、既存業務の拡大など事業を展開する上で新たな分野に進出したり、あるいは経営の多角化など、事業基盤の底上げを計画している企業が対象となります。

その想定している事業について、自らの手で事業計画(起業の場合は創業計画書)を策定するわけですが、その計画を策定するにあたって、私たち認定支援機関が助言や指導を行い、より実現性の高いものに仕上げていくのです。

そして、公庫では、融資の審査に加えて、策定された事業計画書(創業計画書)の実現性について与信審査を行っていきます。

 

③事業計画の実行と進捗状況報告書の提出
 

審査が承認され、融資が実行されると、実際に事業計画を実行していくわけですが、融資実行後、事業者は、実際に計画を実施しなければなりません。そして、その計画の進捗状況や、認定支援機関による支援の実施状況を公庫に報告する必要があります。

計画に未達があれば、達成に向けた施策を検討するなど、必要に応じて公庫とも連携しながら、計画の達成を実現させていきます。

 

④様々なメリットがある
 

「これから起業したいが、資金の準備が必要」

「既存の事業展開だけでなく、新たな市場開拓やサービスを提供したい」

「新規の事業を立ち上げて、経営の多角化を進めたい」

 

など、これから新たな事業展開について考えておられる経営者の方にとって、とても活用しやすい制度融資です。いくつかのメリットを紹介しましょう。

 

低金利で資金調達が可能(上乗せ金利なし)である。

2,000万円までの範囲で、無担保、無保証で資金調達が可能です。

新規開業の場合、自己資金要件が必要なし(本制度を利用すると)。

 ※通常では創業者が無担保で資金調達を希望する場合、創業にかかる費用の10分の1以上の自己資金が必要になります。

・融資を通じて、認定支援機関の指導や助言を受けながら新事業分野開拓に向けた事業計画を策定することによって、経営力や資金調達力の強化につながります。

 

特に、これから創業されようとしている起業家の方には、自己資金要件が必要ないというところは、大きな魅力のひとつですね。

 

事業計画策定に際しては、弊事務所でも取り扱っておりますが、事業計画策定は融資制度上の必須書類であり、必ずしも融資実行を確約するものではありません。

その他、金利・条件面などの詳細は弊社HP、または、日本政策金融公庫HPでご確認ください。

  
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