金は天下の回りもの
ところがどっこい近頃は 天下が金の回し者… (以下略)
(必殺仕事人2009 オープニングナレーションより、一部引用)

「金は天下の回りもの」という言葉が、けっこう気に入ってまして、 ふと、検索してみたら、こんな一文が出てきました。 「天下が金の回し者」とは、言い得て妙ですね。 このところ続いている円安株高傾向や実体経済への影響をみていると、なるほど、と思ってしまいます。

 

円安の影響で日銀が経常黒字

日本銀行はH24年度決算において、1兆1千億円超の経常利益を計上しました。前年5,300億円超の経常利益に対し、約5,900億円の増益。前年比約207%もの増加です。

要因は、円安が進んだことによる、保有外国債券などの円換算価値が増加したこと。 益超にともなう外国為替等取引損失等の特損を差し引き、法人税・住民税等の税金を引いた当期剰余金は5,760億円余り。法定準備金等を差し引きした残余の5,400億円は国庫に納付されることになります。 円安の影響が、思わぬところに出てきました。 これも、日銀が黒田総裁の下に打ち出した大規模な金融緩和策のおかげといえるのでしょう。

 

円安株高に涌く市場、そして調整局面へ

その「前例がない異次元緩和」とも言われた日銀の大胆な金融緩和策。 4月4日に発表されて以来、為替相場では、円はじりじりとその価値を下げ、日経平均株価はみるみるうちに高値圏へと上がっていきました。4月5日の朝の、異常なほどの株式売買注文。ネット証券では、一時的にログインできない状態が続いたほどです。大胆な金融緩和策への期待から、株式市場に資金が流れこんだ結果でしょう。以来、過熱ぎみとも言われながらも、高値を更新し続ける株式市場の株高傾向は、一ヶ月半ほど続いてきました。

そして、5月も終わりに近づいたある日。株式市場は、突然、冷水を浴びせられたのです。 5月23日。終値が前日比1,143円安の11,483円98銭。下げ幅は歴代11番目を記録する程の下落。 「アベノミクス」効果もこれまでか、と思われる中、 現在も、乱高下を繰り返しながら、株式市場は、過熱ムードを覚ますかのように調整局面へと入っていきました。

 

その一方で、日本国債市場はというと・・・

月間7兆5000億円を買入れ、国債保有高を二倍の190兆円にまですると約束した日銀による大規模な買い入れが行われているにも関わらず、株高のあおりを受け、債券価格は下落。債券利回りも上昇の一途をたどっています。 連日高値を更新するほどの株式市場の過熱感から、安全資産といわれる国債からどんどんと資金が流出し、リスク性の高い株式市場へと流れていくのは必然かもしれません。 日銀の大規模緩和によって一時は過去最低にまで下がった長期金利も、5月23日には一時的に1%を超える場面もありました。 株式市場が調整局面を迎えている現在も不安定な状況が続いていますが、長期金利の上昇や変動を抑制するために、5月30日、日銀は、国債を買い入れる回数を増やし、1回あたりの買入れ額を減らす、新たな国債買入れ策を打ち出しました。 これによって、国債市場の安定を保ち、長期金利を安定させることが狙いだそうですが、はたして、その効果のほどは如何に。

 

金利上昇の波紋

このまま国債が下落し続ければ、金利は上がる一方です。 預金者にとっては朗報かもしれませんが、みずほ銀行は、6月からの定期預金金利を引き上げるというニュースを発表しました。 では、個人の住宅購入資金や、資金需要が見込まれる企業にとってはどうでしょうか。 大手主要銀行は5月に引き続き、6月からの住宅ローン金利を引き上げました。消費税率アップの前に住宅購入を考えている個人にとっては、悩みどころでしょう。 企業にとっても、金利上昇局面は、設備投資による資金調達や、運転資金の金利負担増など、自社の利益にも大きな影響を及ぼします。 株高だからといっても、手放しで喜んでもいられないのが現状。

 

「天の上で回っているだけ」では困ります

株式も為替も債券も、所詮はマネーゲームの道具でしかないと言われるかも知れません。 多くの中小企業のみなさんは、こう言います。 「ほんとに、景気はよくなっているんだろうか」と。 乱高下する日経平均株価を睨んでいても、好況へと向かっている実感がつかめない、というのが本音でしょう。 しかし、株式や為替や債券。それぞれの市場が相関しながら、実体経済に、次第に影響を及ぼしているのも否めないところです。 現に、ここ数カ月の市場全体の動きは、確実に、停滞していた景気を刺激し、たくさんの資金を市場へ供給している事は、間違いないと思います。 ただ、それが、天の上で回っているだけでは意味がありません。やはり「お金は天下で回ってこそ」です。 しかし、待っているだけでは、お金はやって来ません。 好況になったからといって、口を開けて待っているだけでは何も起こらないのではないでしょうか。 お金がやってくるための準備や心づもり。行動することは必要ですよね。

(つづく)

【一部門  加 藤】

  
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