小説っていうのは、読む人によってその本から受けるメッセージは大きく違います。読み方も色々で登場人物を俯瞰するように読んでみたり、登場する人物に自分をなぞらえながら読んでみたりと様々。ここ最近読んでいる本は、少しコアーでオタク気味な本が多いので、中和する意味で「琥珀の夢」という伊集院静著でちょこと一息のつもりが、一気読みとなってしまいました。
 
内容はサントリーの創業者である鳥井信治郎氏の生い立ちから、現在の佐治敬三氏が率いるサントリーに至るまでの小説で、【326話】の「海賊とよばれた男」百田尚樹著に次いで、感動させられた本でした。この小説の始まりは、鳥井氏の葡萄酒の製造販売を行う”寿屋洋酒店”へ”五大自転車店”の丁稚の幸吉が、鳥井氏へ自転車を届けるところから始まります。この丁稚はその後”経営の神様”の松下幸之助氏です。
 
他にも鳥井氏と同世代ぐらいで戦前戦後、現在の日本の中心的産業となるそれぞれに物語がある会社が創業する時代で、この小説には、そういう創業者そして政治家が登場してまいります。そして、切磋琢磨しながら競業がり、困ったときには助け合うという精神が一企業が創業していくといいうのではなく、日本の一つの産業として生まれていくという時代背景がまた小説を面白くしているのですね。
 
 一つの事業をやるというには色々なテクニック的な事、法律的な事等があって、そのハウツー本は山のように出版されています。題名だけ見ながら、手っ取り早くできそうに思い、手に取って読んでみても、”へぇ~!!”その本に書いてあることをやり続けたら、経営がうまくいくのか?”多分無理でしょう!”の結論しかでません。しかし、何か手がかりがあるのでは??なんて考えながら、AMAZONでポチります。しかし、無理ですね。
 
やはり一つの事業を完成させるに必要なのは多くの要素はあるように思うのですが、一番必要なのは、”夢”、”情熱”そして”チャレンジ”がどれだけあるのか?に絞られるのではと、この本を読みながら実感します。そして、以前のブログで紹介した百田直樹著「海賊とよばれた男」もやはりテーマ的に実感したところは同じように思います。その上に、テクニック、戦略、戦術、その他の要素が乗っかている感じです。
 
信治郎氏が目指した”大衆により良い商品を供給し、豊かな生活をして欲しい”という夢から始まり、二代目社長である息子の佐治敬三氏への言葉”やってみなはれ”この二つの言葉は、ほんと、大好きですね。頻繁に出てくる”気張るんやで”、”じゃかあしい”、”やってみなはれ”、コテコテの大阪弁も読んでいて心地よろしおまんな!(^^)!感動しました!!下手なハウツー本読むより、これでっせ( `ー´)ノ
 
【0326話】下手なビジネス書を読むよりこの小説「海賊とよばれた男」百田尚樹著

 

やこやこ

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