オペレーション部門の須藤です。

「三方よし」ってご存じですか?

近江商人の商売の理念として有名なので、ご存じの方も多いかもしれませんね。「三方」とは「売り手」「買い手」「世間」。これらのうち一つも欠けることなく商売をしていくことが大切、という理念で、私は新卒の研修時にビデオを見て知りました。ビデオの内容は、商人の息子(といっても小学生くらいの少年)が働き始め、今までの関係そのままに「おっちゃん」「買おてー」などの言葉で商品を売ろうとするのですが、周りの人たちは少年をキチンとした商人にするべく購入を断ります。
 
いつまで経っても売れず悩んでいた時にこの理念を教わり、言葉や態度を改め「三方よし」の姿勢で商品をお勧めするようになり・・・というようなものでした。それこそもう何十年も前のことですが、とても印象深く今に至るまで記憶に残っています。

 

誠意をもって買い手のためになるものを勧め、購入後もサービスに努める。品質や値段、サービスに満足してもらうことによって信頼を獲得する。商売で適正な利益を得、それが貯まれば無償で橋や学校などを建て、世間に還元する。これが「三方よし」の精神です。

 

最近よく聞くようになった「Win Win」も「三方よし」に似ていますが、「世間」がないところが大きく異なります。「自分さえ良ければ」だけでなく、「自分と相手が良ければ」でも、どこかに歪みが生じることがあります。そこにあとひとつ「世間よし」の視点を加えることで、社会的に間違いのない、地域に必要な企業として存在する、そんな感じがいたします。
 
企業理念に「地域共生」「地域貢献」などを掲げている企業は、この「世間よし」をひとつの形にしているのでしょうね。地域の清掃をする、プロスポーツ選手が市内の学校で訪問授業をする、など身近でも見られます。逆に近年世間を騒がす贈収賄などの不祥事や、コンビニの本部・加盟店の揉め事などは、自分や相手だけが良く「あとひとつ」の視点がないがために起こっているように思います。
 
また、アメリカでは以前「会社は株主のもの」という考えが一般的でしたが、今年の8月に、アップルやアマゾンなど主要な企業でつくる経営者の団体Business Roundtableが「株主第一主義を見直す」と宣言したそうです。顧客や従業員、納入業者、地域社会など関係者すべてのための経営を目指す、とのことですが、これぞ「三方よし」そのもの。どのように変わっていくのか、注目していきたいところです。
 
「売り手よし、買い手よし、世間よし」。
昔から言われる「三方よし」ですが、いつの時代にも通用することばかり。商売の基本だと感じます。

  
コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください


Copyright(c) 2024 FARM Consulting Group All Rights Reserved.