DSCF1975.JPG第七藝術劇場。通称、ナナゲイ。十三の歓楽街にあるビルの六階。客席数96席の小さな劇場。かの「靖国」の上映騒ぎでも幾度かテレビに映ったことがありました。

初めて訪れたナナゲイで観た作品は、ジョニー・トー監督の「エグザイル/絆」 関東では昨年末に公開されている作品ですが、関西でもようやくお目見えとなりました。

「大人一枚下さい」

当日一般と印字された横に、手書きで”エグザイル”と作品名が書かれた入場券。全席が自由席。整理券の番号順に案内され、劇場の中へ。

 
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中国返還直前のマカオ。昼下がりの平穏な街に、場違いな四人の男たち。ボスの命令で裏切り者を
始末しにやってきた二人と、それを阻止するためにやってきた二人。そこに現れた裏切り者の男。無言のまま銃口を向け合う男たち。一発の銃声が轟く。銃弾が飛び交う中、踊るように舞い、引き金を引き続ける男たち。

一瞬の静寂の中、聞こえてきた赤ん坊の泣き声・・・。   

「まあ、座って話そうや…」

「座るって、どこに?」

本気で殺し合いをしていた彼ら5人は、幼馴染。しかし、彼らは知っていた。”友情”という強い絆で結ばれていても、運命には逆らえない事を。そして、自分のルールに逆らって生きてはいけない事を・・・。かくして、男たちの流浪の旅が始まった。

血煙舞うスタイリッシュな銃撃戦。美しき友情。熱き男達の物語に、もぉ、私のハートは完全に持って行かれてしまいました。アンソニー・ウォンやフランシス・ンをはじめとする実力派俳優がそろったキャスティングも最高にイイ。カッコ良過ぎますわ、この映画。

利口な生き方ではないのはわかっていても、自分に正直にしか生きることのできない男たち。「男ってなんて馬鹿な生き物なんだ」と思いつつも、スクリーンの向こうの男たちに喝采したくなる。そして、わずかばかりの嫉妬。ああいう風に生きられたら、どんなにカッコイイことか。現実にそんな生き方をしようものなら「アホか、お前」と一笑に付されるのがオチだ。だからそんな生き方はしない。多分しないと思う。いや、もしかしたらするかもしれない。しそうで怖い。あかんあかん、これはファンタジーなんやから、と自分に言い聞かす。あり得ない話やから、と言い聞かす。でも・・・でも、やっぱり彼らの生き様に憧れずにはいられません。

  
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