連邦か! ジオンか! 入隊を志願する者たちの長蛇の列。「ガンダム生誕30周年祭」お楽しみコーナーの一角にそれはあった。履歴書必要なし。適性検査なし。名前ひとつで入隊できるとあって、多くの志願者が列を成している。ようやく探しあてた最後尾を見て愕然。待ち時間約180分。ここでも諦めモードが鎌首をもたげそうになるが、せっかく名古屋まで来たのだから、一つでも記念になる事をして帰るべしと自らに言い聞かせた。並ぶことが苦手な相方の顔色を伺いつつ、この長蛇の列に並ぶかどうか聞いてみる。だが、以外にもすんなりと承諾してくれた。但し、一枚800円也の入隊証のお代は、相方の分も私が持つという条件付きでの承諾だった。

F1000011.JPG待つこと二時間。ようやく私たちの順番がやってきた。

「ジオン軍に入隊します」そう宣言する私に対して、

「じゃあ、私は連邦軍で」とあっさり答える。

かくして、敵味方となった私たち。これからは家庭内で敵味方が共存するという、奇妙な関係が成立した。

ガンダムシリーズには、肉親や親友、恋人同士が敵味方に分かれて闘うというシチュエーションがよく出てくる。戦争によって引き裂かれた関係。肩を並べて笑っていた者同士が、互いに銃を向け合う。こんなことをして何の意味があるのか、と自問自答しながらも「戦争だから」と、両者がその引き金を引く。双方の視点から描かれる「戦争」の悲劇。架空の物語とはいえ、そんなシーンを目の当たりにする度に、胸を傷めてしまう。家庭内で敵同士と冗談を言いながらも、笑っていられる事の幸せを噛みしめる。

ジオン軍、連邦軍双方に入隊した私たちは、再び”限定グッズ売り場”という名の戦場へ。

兵どもが夢の跡。午前中の喧騒はどこへやら。閑散とした売り場には、ほとんど何も残っていなかった。場内を探索し、わずかに残っていたステッカーを発見! 数枚しか残っていないそれを、お土産用に買い占める。あと数分遅ければ、今日の戦果は無きに等しかった。恐るべしガンダムのブランド力。その力をまざまざと見せ付けられた瞬間だった。

次回、尾張名古屋ういろう篇は、いよいよ最終章へ。 

  
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