監査第二部門の弾です。
前回は、ギャンブルの歴史についてお話しました。ギャンブルには勝ち負けが伴います。なので今回はその還元率に注目してみたいと思います。
 
還元率とは、「〇円賭けた時にいくら戻ってくるか」を表しています。たとえば、100円賭けて80円戻ってくるなら、還元率は80%です。還元率は1回1回の賭けに当てはまるものではありません。何度も賭けたり、何人もの人が賭けたりした時の平均値を表しています。
 

《ギャンブルの還元率の計算式》

還元率=当選者への払戻金額÷賭け金額の総額×100

 
以下に、公営ギャンブルの還元率をまとめてみました。

公営ギャンブル

還元率

根拠法令

競馬

70~80%

競輪法第8条

競艇

75%

モーターボート競走法第15条

競輪

75%

自転車競技法第12条

オートレース

70%

小型自動車競走法第16条

スポーツくじ

50%未満

スポーツ振興投票の実施等に関する法律第13条

宝くじ

50%未満

当せん金付証票法第5条


 

上記のようにこれらの還元率は、法律(もしくは管轄省庁の大臣の定め)で決まっています。つまり、公営ギャンブルの還元率は時代にかかわらず、ほぼ一定でした。(スポーツくじや宝くじは年によって若干の変動があるため、完全に一定とまでは言い切れません。)
 
パチンコとパチスロの還元率は、主に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)によって定められています。この法律では、パチンコ店の営業許可や遊技機の認定基準などが規定されています。還元率の具体的な数値は法律で定められていませんが、過度に射幸心をそそるものであってはならないとされています。そのためパチンコ、パチスロは自由に還元率を調整できるためお店により異なります。
 
還元率に注目してギャンブル全体でみてしまうと昔と今の変化はなしという結果になりましたが、変化している部分もあります。
 
宝くじの場合、昭和55年のジャンボ宝くじの1等賞金3,000万円、そこから徐々に上がっていき、平成27年には1等賞金7億円となりました。当選金額は宝くじの売上金額に還元率をかけた金額で決まっているため、昔に比べて宝くじを買う人が増えている、購入単価が上がっている表れかなと思います。宝くじだけでみると当たった時の夢があるので昔より今のほうが断然良いですね。
 
逆に、昔のほうが良かったと思う方が多そうなギャンブルはパチンコ、パチスロかなと思います。ギャンブル依存症の予防やプレイヤーの健全な遊技環境の確保を図るため、時を経るにつれて規制が厳しくなっています。例えば、出玉数の制限や遊技時間に関する規制などが設けられ、昔ほど一日で獲得できる玉やメダルが制限されました。打ち手も困りますが、機種の開発における制約にもなるため、機械を開発している方にとっても、思い通りの機械を作れなくなっているのではないかと思います。
 
最後に、ギャンブルをする人は誰でもギャンブル依存症になりえます。ギャンブルは始めるのは簡単ですが、一度依存症になると回復するまでの道は険しく、たくさんのものを失うかもしれません。十分ご注意ください。



  
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