柄にもなく、心が疲れた時に開く詩集があります。

西條八十から「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛された詩人で、 大正末期から昭和初期にかけて、512編もの詩を綴った金子みすゞの詩集です。

彼女の生涯は決して幸せだったわけではないのですが、
あの感性は天に与えられたものなのでしょう。

不思議と読んでいると、ホッとするというか癒されるというか・・・
15年以上経っても飽きずに癒されているので、よっぽど気に入っているのだと思います。

 

出会いは今から15年以上も前、あるドラマを観ていて、たまたま主人公のセリフで聞いたことでした。
ただのセリフですが、不思議と心にスーッと入ってきて忘れられない詩となりました。
しかも1度聞いただけで覚えられたというのも、それだけ印象的だったのでしょう。
それから本屋で詩集を探し、他の作品も読み漁りました。

どれもこれも頭で理解するというよりも、心に響く感じでした。
喉がカラカラに渇いている時に、冷たい水を飲むと身体中を循環している気がするのと同じような感覚でした。

 

 そんな中、偶然山口へ行く機会があり、それじゃってことで生まれ故郷の長門市仙崎まで足をのばして行ってきました。生家跡に記念館が出来ているのです。

残念ながら当時はお気軽に写真を撮れるものを持っておらず、記念の写真もないのですが、記憶にはバッチリ残っております。直筆のメモなども展示されていて、貴重な資料もたくさんありました。

その後、彼女の生涯が映画やドラマにもなったりもしていたので、名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。


また東日本大震災の後、ACのCMになったので、作品によっては知名度がまた上がったものもあると思います。

 

今回このブログに書くにあたり、いろいろ調べてみたのですが《金子みすゞ》という小惑星もあるそうですよ。

 

話を戻して、詩人としての評価は様々あるようですが、私と同じように感じているファンも多いです。ふとしたきっかけで、心が癒されるものに出会えるって幸せだと思います。このブログをきっかけに・・・なんて人がいたら、うれしい限りです。

もし少しでも興味を持たれた方がいたら、是非一度読んでみてください。

このブログを読んで、私のイメージと違うと感じられた方も多いでしょうが・・・こういう一面もあるとご理解ください。

最後に、きっかけともなった一番のお気に入りをご紹介します。
 

 
   「 大 漁 」

朝焼け小焼けだ

大漁だ

大羽鰮(いわし)の

大漁だ

浜は祭りのようだけど

海の底では何万の

鰮(いわし)のとむらい

するだろう

ファクトリー : 永 野

  
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