2013.7.1

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こんにちは、ファクトリーの柏原です。

いよいよ7月に入り、夏が始まったという感じですね。夏になると田舎のことを思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。私にとっては、母の実家がそうした感覚で思い出す場所になります。

その田舎は中国地方の山奥で、昔話に出てきそうな農村です。大人になってからは行事がある時だけになってしまいましたが、子供の頃は毎年のように泊まりに行っていました。

 

毎年、今年はどんな冒険があるだろうかと、本当にわくわくして行っていました。何せ普段の世界とは全くの別世界なのです。山があり、川があり、タヌキがいて、クマがいて、サルがいます。

河童がいるから気を付けるように(真面目に)注意されるのです。もしもの時はきゅうりを投げて逃げたらいいらしいです。タヌキや、キツネについても何か言われましたが、憶えていません。

 

週に2、3回猟銃の音が山に響くので、そんな話も余計に真実味があり、ちょっと山に入るのも、大冒険の気分になります。そこで子供たちだけで木の上に基地を作ったり、洞穴を利用して戦争遊びをしたり、川での水泳会に参加したり・・・もう毎日が、普段ではありえない遊びばかりでした。

 

そんな感じで、子供にとって昼は楽しくて最高なのですが、夜は恐怖です。

土間を歩いて行かないといけないところにトイレがあり、さらにすぐ外は暗黒の世界になっていて、大変な恐怖でした。夜は本当に暗く、玄関の土間の明かりをつけて外に出ると、その明かりはすぐに暗闇に吸い込まれて、下を向くと自分の足が見えないんです。

そこでは、注意していないと闇に吸い込まれて、死んでしまうような気がしたものです。一度だけ、トイレから窓を開けてみた時に、道のない山の中に赤い三つの光がゆっくりと移動しているのを見たこともあります。

 

大人になってたまに訪れるようになってからは、田舎の親戚や近所の方がとても顔色がよく昔と変わらないことや、水や野菜の美味しさ、昔ながらの生活の豊かさに癒されるようになりました。

水も水道がなく、完全に山水だけで暮らしています。いつも冷えていて、すっきりと本当に美味しいです。毎朝、仮に山水を貯めている池で顔を洗うのですが、それがまた実に気持ちいいのです。そして、その水が流れ込む音が一日中静かに聞こえています。

 

野菜やお米、夏のトウモロコシやスイカ、秋は柿や松茸を、自分の山や畑で収穫して、肉と魚以外は自給自足です。そのどれもが普段スーパーで買うものより美味しく感じます。そんな作物を作るのは本当は大変なはずで、訪れた時には感謝していただいてます。

 

夕方になると、5時半頃から順番に風呂に入ることになっています。風呂は今でも薪をくべて沸かすお風呂で、時々薪を足しに祖父や祖母が来てくれます。で、お風呂の外と中でおしゃべりをするのが当たり前のようになっています。

 

そんな田舎も近代化や過疎化の中で少しずつ変わってしまって、訪れるたびに少し切ない気がします。こちらの勝手な思いかもしれないですが、できればそこでの暮らしや自然は、このまま変わらないでいて欲しいと思います。

  
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