この数年間で、僕が一番おもしろいと思った漫画が「なにわ金融道」でした。といっても、もうブームも終わっていますね。一時はどこの本屋にもなかったといいますから、本当にすごい人気だったようです。
その作者が、自身の経験をとおして、現代の教育とか社会とかを問いかけるといった内容です。薄くて字も小さくて口語体、しかも漫画付きなので、すぐに読めちゃいます。説教じみた書き方という気もしますが、そのなかで、感心した一文を引用します。
（絵をかいて生活しようと決心して）「ですが、本格的な油絵をやろうとしたら、だれかに弟子入りして勉強するか、美術大学に入らないとだめでしょ。そんなじゃまくさいことはとてもできない。でも、漫画だったら簡単や。自己流でやれる。資格も免許もいらへんと思ったしね。だけど、後からわかったのですが、資格や免許もいらん職種でメシを喰っていくことの方が、本当は一番むずかしいということでした。」

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