昨年読んだ「科学本」のなかで、いちばんの作品。
地球をとりまく大気を再発見していく、物語仕立てのノンフィクションです。

なにしろ圧巻は、冒頭のスカイダイビングのシーンでしょう。
3万メートル上空まで気球を使って上昇したキッティンガーは、そこからダイビングします。
1960年のことなので、彼は「一番最初に宇宙に行った男」ということになります。
宇宙から地上までの、様々な層を織りなす大気を突き抜け、地上に降り立った彼の感想は、
「エデンの園に帰ってこれた」というものでした。

そして本書は歴史をたどり、今度は逆に地上から宇宙空間への大気の層を紹介していきます。
まあ、さながらダンテの神曲といった構成ですね。

  • 「こんなに空気が重いはずがない」というガリレオ。
  • シンプルなトリチェリの実験が、すべての理論をくつがえす。
  • ラボアジェが酸素の働きを発見する。
  • 赤外線を吸収する二酸化炭素のはたらき。

次から次へと、大気の構造が語られていきます。
人間は、大きな何かに守られているんだなあ、としみじみ感じます(無宗教だけどね)。

ジェット気流の発見、オゾン層の役割。そして電離層、ヴァンアレン帯まで。
まさに奇跡に満ちあふれた物語。

個人的には、電離層とマルコーニ無線の話が心に残りました。

 

ちなみに、冒頭のキッティンガーのジャンプは、youyubeで見れます。これが一番見やすいかな(最初のにいちゃんは誰なんだろう)。

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