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0部門の山本です。

 

春は進学や新社会人となる門出と同時に、別れの季節でもありますね。

長らく忘れていたそんな体験を、この春、私もすることになりました。

 

それは、息子の工作教室として長い間お世話になっていた、アトリエからの卒業です。

 

月に一度、息子を連れて電車とバスを乗り継いで通った教室。

そこは「大人も子供も、自分が表現したいものを、自由に描き、つくる」

そんな場所でした。

 

子どもたちの付き添いとしてやってくる親にも、何かしらのプログラムを用意してくれていて、

いつの間にか、親子して月に一度の土曜日を楽しみに待つようになりました。

 

ここに2006年からの記録のノートがあります。

アトリエにいくと、まずこのノートに近頃の子どもの

様子を記入します。最初のページには、

「幼稚園で自由に描いてと言われ、どうしたらいいのか

わからず途方にくれた」などとあります。
 

途中からほとんど育児相談と化しているのが笑えます。

 

先生からは、その日の作品の解説や、そこに表れる色や構成などで色彩心理の観点からの意見などが

書かれています。

 

このノートには、その時の(親の)気分を色に現すというのがあって、

それがその日の子どもの作品の色と見事にシンクロしていることもよくありました。

 
 

先日、アトリエから記録ノートと共に10年間の作品画像のミニアルバムが送られてきました。

そこには、作品だけでなく制作を通じて幼児から青年へと成長していく息子の姿やコメントも

添えられています。

 
 

そしてもう1冊、それはなんと私の作品集でした。

こちらに写っているのは横幅が伸び縮みするぐらいであまり代わり映えの

しない姿ですが、一緒に映る息子の姿がどんどん成長していきます。

 

最後のページには、「わたしの色」というタイトルで、毎回ノートに記入

した10年間のその日の色がひと目でわかるようになっていました。

 

これを作るのにどれだけの時間をかけてくださったのだろうと胸が熱くなり、同時にもうアトリエに

行けないことがたまらなく寂しくなりました。

 

子どもの卒業とともに、何十年ぶりかで私も卒業を体験したのでした。

アトリエとの素晴らしい出会いに感謝します。

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