監査一部門の清岡です。

以前、借入金の依存度について記載しましたが、もう少し違う角

度から考えてみましょう。借入金と他の項目との関係に注目する

ことによって、経営者や金融機関はどのような判断ができるので

しょうか。今回は、追加融資が可能かどうかも計れる「借入金関

連の指標」を紹介します。

 

借入金と売上高との関係

 

一般的に金融機関が融資のための判断材料の一つである「借入金月商倍率」により判断してみま

しょう。この指標は、借入金が月次売上の何倍あるのかを示しています。

 

算式 

  借入金月商倍率=借入金残高÷月平均売上高

 

安全面の目安として、以下となります。

 

安全レベル ⇒ 1.5倍

注意レベル ⇒ 4倍

危険レベル ⇒ 6倍

 

という事は、借入金が月平均売上高の4ケ月分が一つの分岐点となりますね。

 

 

もう少し深く関係性を考えてみましょう。

 

借入金利息と利益の関係

 

企業が支払っている利息と獲得した利益の関係です。

すなわち、1年間で支払うべき利息の何倍の利益を稼いでいるのかを知ることにより、その企業の

支払利息の支払い能力を判断できます。その算式が(インタレスト・ガバレッジ・レシオです。)

 

(簡易版) 

   営業利益÷支払利息

 

この率が高ければ高いほど安全となります。

逆に「1」を下回る場合には、営業利益が支払利息下回るという事なので、

追加融資は難しくなるでしょうね。

 

最後に返済能力について簡単に記載します。

 

 

年間返済額とフリーキャッシュフローの関係(借入金の返済財源)

 

フリーキャッシュフローとは、会社が事業活動により稼いだお金のうち、自由に使うことのできる

お金をいいます。すなわち「営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー」です。

簡易的には、以下の算式で十分です。

 

   税引後利益+減価償却費

 

フリーキャッシュフローが年間返済額を上回っていれば、追加の融資も可能かもしれませんね。

 

会社を経営する中で、借入金は切っても切れない関係です。

借入金をする理由は、設備投資、新規事業資金、季節変動等による短期な資金不足、運転資金等・・・と

会社によって様々です。しかし、自社の適正な額を知らなければ、必要な時に融資が受けれなかったり、

不要な融資を受けかねません。

これが全てではありませんが、一つの目安として一度計算してはいかがでしょうか。

  
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