「今期は前期の2倍の140万円の最終利益(税引後当期純利益)を出したいのですが・・・。やはり売上を2倍にするしかないでしょうか」

 

監査業務一部門の清岡です。
先日、上記のような質問を受けました。

目的達成には いくつかの方法がありますので、まずは昨年の決算書を元に考えてみましょう。
 
【基本資料】(内容を簡素化しています)

 

【売上高の改善】

一番シンプルな方法が、目標達成のために必要な売上高を求める方法です。
当期純利益(f)を70万円から140万にするためには、次の算式で求めることができます。

(計算)

140万円(f)÷(1-0.3)=200万円・・・税引前利益(d)
200万円(d)+400万円(c)=600万円・・・粗利益(b)
600万円(b)÷50%=1,200万円(a)

売上高を1,000万円から1,200万円に、1.2倍にすれば目標は達成できます。

ここで分かるのが、利益を2倍にするといっても、決して売上高を2倍にする必要はないということです。工夫して、必要な額をupさせましょう。

(売上改善の例)価格の見直し、販路拡大

 

【利益率の改善】

次に、売上高はそのままで、利益(f)を2倍にする方法ために、利益率(b)を改善してみましょう。

(計算)

140万円(f)÷(1-30%)=200万円・・・税引前利益(d)
200万円(d)+400万円(c)=600万円・・・粗利益(b)

と、ここまでは同じです。

次に利益率を求める算式は、「粗利益(b)÷売上高(a)」

すなわち

600万円(b)÷1,000万円(a)=60%

従来の利益率を「50%」から「60%」に、10%の改善ができれば可能となります。

(利益率改善 例)仕入高の見直し

 

【固定費の改善】

その他に考えられるのは固定費の見直しです。
それでは、いくら改善すれば目標を達成できるでしょうか。

(計算)

140万円(f)÷(1-30%)=200万円・・・税引前利益(d)

今回は、「売上高1,000万円(a)」と「粗利益500万円(b)」は変わりません。

すなわち

500万円(b)-200万円(d)=300万円・・・固定費(c)となります。

固定費を「400万円」から「300万円」に100万円減額する必要があります。

(固定費改善の例)人件費の見直し

 
3つの方法がありましたが、それぞれ一項目だけの改善ですと現実味がありませんよね。
そこで、全ての項目を少しずつ改善してみることが一番いい方法となります。

たとえば、「売上高を10%改善」「原価率を5%改善」してみると次のようになります。

本来の目的達成のために必要な「税引前利益200万円」より5万円多くなりました。
すなわち、固定費(人件費)を5万円増加させることも可能となります。

「目標を達成すれば、給与も上がる」という計画の方が従業員にとっても、やりがいになるのではないでしょうか。

どれか一つだけに目を向けず、トータル的な改善方法を考えてみましょう。

  
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