こんにちは、税理士の嶋﨑です。

今から25年、そう四半世紀ほど前の話です。私は地方の大学生で、大学生活をより豊かなものにするためにアルバイトに精を出していました。

小さいころから水泳を習っていたため、その特技を活かしてスイミングスクールで水泳のコーチをしていたのです。


下は3歳くらいから上は中学生まで幅広く担当していたのですが、3歳のクラスといえば水慣れが目的で、例えば目を開けながら水に潜る練習とかをします。

これくらいの年齢の子は無条件に可愛くて、水に潜ることそれも目を開けながら潜るなんて本当怖いと思うのですが、イヤともいわず不安な表情をしながらも水に潜り、水から上がってくると目に水を溜めて何とも言えないまなざしでこちらを凝視してくるのです。

この時の目は本当に美しく、「よう頑張ったなー」と褒めるとこれまた嬉しそうニコって笑う。このアルバイトのやりがいのひとつでした。

 

ちょうど今年の初めころだったか、そのバイト先の先輩の一人と今もまだ付き合いがあり、その先輩が「そういえばこの前飲み屋であの頃の教え子と再会した。」と言うのです。

そんなことあるのだろうか。しかも、もう四半世紀も前のことなのによくわかったなと。あのころ3歳だと今はもう30歳近い、その間一度も会っていないのにわかるものか、本当かどうか半信半疑でした。

「今度機会があればぜひ一緒に行きましょう。」

ということになり、先月末にその機会が訪れたのです。

 

その店に行って本人が来るとわかるものですね。やっぱり面影があるのと、あの頃毎回出席をとって名前を呼んで顔を見て来ているかどうかをチェックしていたので、名前を聞くと顔も思い出す。

懐かしいなあと思い出に浸るのも束の間、ここから一気にいつもの世界に引き戻されたのです。

「久しぶりに再会したのでシャンパンで乾杯したいなー」「どのシャンパンがええん?」

「私が好きなんはこれ」「これは高いわー」「じゃあこれかな」「しゃあないなー」「えー、ありがとう」とお決まりのやり取り。

 

私の名誉のために言っておきますが、これは先輩と女の子との会話です。

これを向かい側の席から俯瞰してみていると、あの頃のデジャブを見ているようで。

この人は本当にシャンパンを頼んでくれるのだろうかという不安な表情で先輩を見つめ、先輩が陥落したのと同時に何とも安心したまなざしで凝視し嬉しそうにニコって笑う。

あの頃は無意識でやっていたふるまいが、今は意識的にやっていることは違うのだろうけど。

 

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」

人は何か断るとお返しをしないといけないと思う傾向があり、それを利用した営業のテクニック。

本命のシャンパンを頼んでもらうために、わざとお高いシャンパンをはじめに要求する、成長したなあ。

ちなみに現在の先輩は、生命保険のトップ営業マンです。

先輩が酔っ払っていたのか、初めから注文する気だったのか、はたまた普段自分が使っているだろう手法にまんまとはまったのか知る由もありませんが、嬉しそうに飲みながら昔話をしていました。

女の子は自分の成績になったでしょうし、私はこのブログを書くことができました。

3人ともにハッピーな再会だったわけで、めでたしめでたし。

 

 

  
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