2024.11.18

カテゴリー -/ お金の雑学

こんにちは、監査3部門の西内です。
日本とアメリカでは大きな選挙が立て続けに行われました。皆さん投票には行かれたでしょうか?ちなみに若い世代は投票率が1%下がると年間で5万円損をするという東北大学の試算があるようです。今回は選挙とお金のお話しをしていきたいと思います。
 

日本で先日行われたのは衆議院の解散総選挙です。日本の選挙には供託金という制度があり、小選挙区、比例代表でそれぞれ300万円必要です。売名行為や無責任な立候補を防ぐ目的があり、一定の投票があれば返還されます。今回の総選挙では小選挙区の供託金の没収額は4億2,900万円。そのすべてが国庫に充当されるとのことです。
 
対するアメリカでは大統領選挙がありました。
アメリカ大統領選挙は州ごとに人口に応じた選挙人に投票し、その選挙人が大統領に投票するという。回りくどい方式です。何故このような形式になったかというと、昔のアメリカは識字率が低く、一般の人々が大統領候補の主張を理解するのが難しかったため、選挙人を務めるその地域の名士や知識人に投票を委ねたためだそうです。
 
余談ですが、仮に日本がアメリカの51番目の州になった場合、選挙人が人口で割り当てられたと仮定すると選挙人の数が空前絶後の250人。全米の選挙人の総数が538人なので、日本を制するものが大統領選を制する状態となり、大統領候補者は日本向けの政策を掲げ、連日日本詣でを行い、アメリカの分断はさらに進むでしょう。日本にとっては良いことばかりのような気がしますが。
 
話がそれましたが、スケールの大きいアメリカ大統領選挙。費用の方も尋常ではなく。2020年の大統領選の支出額は両陣営合算して57億ドル(約8600億円)と莫大なお金が掛かりその大半は宣伝広告費に消費されます。
 
さて、この莫大な費用はいったいどこから来るのでしょうか。答えはスーパーPACと呼ばれる政治資金管理団体です。かつては、テレビなどの広告は候補者陣営の政治団体が制作し、団体への献金は個人からに限定され、その上限は年間5000ドルに限られていました。
 
しかし、2010年に、連邦高等裁判所は候補者から独立した政治団体への献金に金額の上限を設けるのは自由を尊重するアメリカの建国精神に反するとして、憲法違反だと判断され、設立されたのがスーパーPACです。
 
スーパーPACへの献金は候補者への直接の資金にはなりませんが、テレビCM等には利用でき、スーパーPACへの寄付金は金額や寄付者も公表されないため、企業や富裕層から無尽蔵の寄付を可能にしています。今回の選挙では、労働者階級の支持の厚いトランプさんが当選されましたが、富裕層や大企業のお金の力の影響も大きく、トランプさんも彼らの意向を多少なりとも反映させなければならないでしょう。
 
第25代アメリカ大統領、ウィリアム・マッキンリーを当選に導いたオハイオ州の上院議員、マーク・ハンナ氏はこう言いました。
「政治には2つ大切なものがある。1つ目はお金。2つ目が何だったかは思い出せない」



  
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