オペレーション部門の須藤です。
ある日、新聞を読んでいると、こんな見出しが目に飛び込んできました。

「会社員も経費節税の時代」

ん? 何なに?? と読んでいくと、特定支出控除の対象拡大についての記事でした。

 
「特定支出控除」なんだか聞きなれない言葉ですね。 特定支出控除とは、会社員でも自営業者のように必要経費を控除できる制度です。
この制度自体、実は1987年からありました。

でも、

①単身赴任者の帰宅交通費等、控除できる範囲がかなり限定されていたこと

②給与所得控除額を上回る金額でないといけないこと

と使い勝手があまり良くなかったため、実際に利用する人は全国でも数人程度といわれていました。

 
しかし、25年度(26年確定申告分)からは範囲が拡大し、対象金額も給与所得控除額の1/2を上回れば良くなったため、利用する人も少し増えそうです。

 
具体的な利用範囲ですが、従来から認められていた
「通勤費」「転居費」「研修費」「資格取得費」「単身赴任者の帰宅旅費」のほか

今年からは

   「図 書 費」・・・書籍、定期刊行物等 仕事に関連するものを購入

   「衣 服 費」・・・制服、事務服、作業服等 仕事に必要なものを購入

   「交 際 費」・・・得意先、仕入先等 職務上関係のあるものに対する接待、贈答等

   「資格取得費」・・・弁護士、公認会計士、税理士等の資格もOKに

と拡大されました。

つまり会社が認めれば、家で取っている日経新聞や専門誌も控除OK。
介護の会社なら介護資格を取るための授業料、英語が公用語の会社なら英会話学校の授業料、経営に役立てるためのMBAの授業料も、もちろんOK。ファイナンシャルプランナーや中小企業診断士、宅建、社労士など仕事に直接必要なものなら全てOKです。

高級な商品を扱っている会社の営業マンで「吊るしのスーツではちょっと・・・」となると、高級生地でのオーダースーツもOKかな。

もちろん「会社が認めて証明書を発行してもらえる」「領収証(宛名は会社名でなく個人名)がある」ことが必要で、会社から全額ないし補助が出ているものは、その分を差し引かないといけませんが、なんだか、使えそうな気がしてきませんか。

控除できる金額は、給与収入が1500万円以下の人は「その年中の給与所得控除額×1/2」を超えた部分です。イメージがつかみにくいので、表にまとめました。

給与の収入金額 給与所得控除額の1/2
  180万円以下  (収入金額×40%)÷265万円に満たない場合は65万円÷2
  180万円超  360万円以下  (収入金額×30%+18万円)÷2
  360万円超  660万円以下  (収入金額×20%+54万円)÷2
  660万円超 1,000万円以下  (収入金額×10%+120万円)÷2
 1,000万円超 1,500万円以下  (収入金額×5%+170万円)÷2
 1,500万円超  125万円

さらに具体的に書くと・・・

年間の給与収入 給与所得控除額の1/2
300万円 54万円
500万円 77万円
1,000万円 110万円

です。

特定支出控除額 = 特定支出金額 - 給与所得控除額の1/2  なので

 

年収500万円の会社員が

「資格取得費60万円、衣服費20万円、図書費15万円」を勤務必要経費として支出したとすると

   特定支出金額=60万円+20万円+15万円=95万円

給与所得控除額の1/2=77万円

特定支出控除額=95万円-77万円=18万円

で、18万円分を課税所得額から控除することができるようになります。

 

うん、なんだか やる気になってきた!!

今年は何もしてこなかったけど、来年は使ってみようかな。

先生!! 私、シャネルのスーツを着て仕事すると、精度は倍、時間は半分でできますけど、証明書を発行していただけますかっ!! (≧▽≦)

オペレーション部門 : 須藤

  
コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください


Copyright(c) 2024 FARM Consulting Group All Rights Reserved.