監査一部門の加藤です。

今回は「メインバンクって何?」の後編をお届けする予定でしたが、先月、日経新聞に掲載された金融動向に関する記事が、気になって気になってしょうがなかったので、急遽、掲載内容を変更しました。次回完結予定ですので、今しばらくお待ち下さい。
 
という訳で、今回は中小金融円滑化法の番外編「円滑化法終了後の世界がやって来る」をお届けします。
 
 
円滑化法終了後の世界がやって来る
 
平成26年3月19日。通勤途上の電車の中。
スマホでFacebookの投稿を追っていた私は、とある記事を目にしてその手を止めました。
 
「金融庁、返済猶予から転換」
 
その日、日経新聞朝刊の一面を飾った記事は、朝早くからFB上で多くの人が話題にしていました。
延長に次ぐ延長の後、2013年3月に終わりを迎えた金融円滑化法。
しかしその後も金融庁は金融機関に対して返済猶予を促してきました。
それからわずか一年足らずで、金融庁は大きく舵を切ったのです。

返済猶予から転廃業を促す姿勢へと。

 
「ついにこの日がやって来たか」
 
そんな思いが口をついて出そうになりながらも、私の背筋はシャキッと真っ直ぐに伸びていました。
 

 

国策としての転廃業支援
 

以下、記事の要約

 ・近く行われる地銀の金融庁検査においては、取引先の事業概況から持続可能性を個別に聞き取り、
  金融機関主導で取引先企業の転廃業に取り組んでいくよう要請がなされていく。

 ・中小企業の経営者が再挑戦する上でネックとなってくる「経営者の個人保証」。融資の8割近くに
  付いているその個人保証の負担を軽減させるために、金融庁は金融機関に対し企業が債務超過や
  破産に陥る前に債務を整理し、経営者の重荷を取り除くよう求めていく。

 ・これまで経営難である企業の不良債権を支援対象としていた地域経済活性化支援機構(前身は
  企業再生支援機構)を、中小企業の転廃業促進のために活用。債務超過でない状態にある企業
  でも金融機関に対して債務免除を申請できるようにし、経営者が過度の責任を問われなよう複数
  の金融機関の調整を機構が肩代わりする。

 ・今国会で提出されている地域経済活性化支援機構法の改正。「誠実な経営姿勢」「適切な情報
  開示」など借り手の資質を調査。それが良い企業には正常債権に対しても金融機関が支援できる
  ような新たな基準が設けられます。

 ・経営者が早期事業再生等を支援するために、事業を廃業しても、最低限の生活費保証(破産法の
  規定による33万円/月×3ヶ月分99万円から最大460万円)や、華美でない居住用の自宅に住み
  続けられることを検討する経営者保証の減免。

 
 

キーワードは“再挑戦?”実態は仁義なき企業再生

金融機関主導による転廃業支援。早期の事業再生を促し、企業活力を阻害しないための経営者責任の負担軽減。経営者の再起を促す。それが、国が打ち出した再生への方策。

キーワードはやはり、再生と再挑戦。

事業に継続性があるか。続けるに足る根拠があるか。そこに新たな事業展開も視野に入れなさい。

その上で成長性が見込めるか。しかし、そこで金融機関がNOと言ったら。

 
「会社をたたんだ後は、会社員になる道も探りなさい。そのための最低限の生活保証はします」
 
なんともドラスティックな政策ではないですか。

長引く不況からようやく脱却しようというこの国で、いつまでも後ろ向きな企業再生にばかり囚われていてはいけない、というのが本音でしょうか。
 

まさに、仁義なき企業再生!

 

しかし、これらのスキームを見ていると、実際そんなに上手くいくのでしょうか、と言うのが私の正直な感想。日々、目の当たりにしている中小企業の現場の状況とは乖離している部分も無きにしもあらず。

 
とは言うものの、リスケジュールなど金融機関から支援を受けている企業の社長さんは、何らかの形で覚悟を決めないといけない日が来るのかも知れません。

中小企業にとっては、まだまだ厳しい時代が続きます。

しかし、それは国も同じ。
逼迫する財政に対して必死で歳入を増やそうとしています。つまりそれは税収をあげること。
 
今、日本の企業全体で法人税でを納税している企業は全体の3割弱です。つまり7割強の法人が赤字、もしくは繰越欠損をかかえているということ。
納税できる法人が増えるということも重要ですが、その前に、やはり企業の競争力強化や雇用維持創出など内需の維持拡大という観点からも、内国法人にはどんどん収益を上げてもらいたい。そんな意味も含まれているような気がしてなりません。
  
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