streetsoffire.jpgオバマ大統領がいよいよ就任ということで、黒人社会についてのドキュメンタリーをテレビでよく見ます。モノクロの映像ですが、なるほどこういう景観だったのだと、少しだけリアリティが増したように感じます。そこで、昔読んだこの本を読み返して見ました。

絶版なので、古本で買いました。

最初に読んだのはもう20年近くも前の学生時代、当時はボールドウィンの「The Fire Next Time」を原書で読まされて、ひいひい言ってました。
黒人差別という大きな課題の端っこすらつかめず、アンクルトムやちびくろサンボあたりから、ようやく社会的に差別されるということの理不尽さが、胸に迫ってきたような時期でした。

で、この小説。読み直してみても、やはり傑作でした。
キング牧師の影響がいよいよ大きくなっていく中、ひとりの黒人少女が殺されます。事件を担当する白人刑事と、権力好きな上司、謎の同僚、黒人社会を牛耳る大物などが、少女の死をめぐって絡み合います。
その物語の過程で、差別への諦念と、いつか時代が変わることへの希望が、そこはかとなく書かれています。
最後まで事件の謎にせまっていく主人公の執念が、胸を打ちます。

そして、圧倒的に美しいラストシーン。
ぜひ読んでみてください(でも絶版)。

 

さて、蛇足です。
日本語訳もかなりいいのですが、2点、おかしなところがありました。
1 前半、「すべからく」という言葉の使い方が間違っている箇所があります。
2 「くちばしの青いガキのくせに」という表現があります。
「くちばし」は「黄色い」で、「ケツ」が「青い」ですね、正しくは。

 

 

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