black.jpg人生観が変わっちゃうくらい、強い印象の小説です。出口のない暗闇の中でがむしゃらにもがいて生きる人間の、なんと愚かしいことか。過酷な運命に翻弄される人間の、なんと弱っちいことか。這いつくばるようにしてずるずると進んで行っても、なかなか救いは見えないくせに、日常はいじわるな干渉をしてくるし、正しい答えなんか分かりっこありません。
惨殺された少女の事件を追っていくミステリーなのですが、複雑なストーリー構成で、作品のなかにはいるまでが大変。でも、一度ストーリーに浸ったら、やめられません。登場人物の存在感、吐き出される言葉の緊迫感、ラストにいたって、すべての謎がつながっていくカタルシス、そのあとにくる虚脱感、そしてほんの少しの救い。ものすごい小説です。
ちなみに、この作品は映画「L.A.コンフィデンシャル」の連作の1作目でもあります。これもけっこう好きな映画です。で、あんな感じで、とてもヘヴィな描写も盛りだくさんです。お子様の手の届かないところにおいて、食事中の使用は控えたほうがよいでしょう。

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