La.gifがむしゃらな暴力刑事、出世に執り付かれたエリート刑事、麻薬まみれのぬるま湯生活を送る刑事。それぞれに傷を負っている、3人の刑事の物語。それぞれにいがみあい、傷つけあい、裏切りあう。違う角度からそれぞれの事件を追いかけ、その過程でまた傷ついていく。残虐な事件、どろどろの人間関係、語られない過去、醜悪な世の中、憎むべき世界。妥協のない描写と、登場人物の緊迫した台詞が、いちいち胸を打ちます。複雑なストーリーを力強く語り、読者を最後までひっぱります。そして、作品の後半、はじめて3人が揃って話し合うとき、大きな組織悪が姿を現し、すべての謎が解けます。
この作品は映画化されて好評でしたが、この原作がもつ力を受けて作られた秀作だったのだと思いました。ストーリ展開が、映画よりもやたら辛辣です。映画ではキーワードとなっていた「ロロ・トマシ」はでてきません。というと、ファンの人は気になることでしょう。是非、読んでみてください。というわけで、以下は引用、
「エドは、そこへいった。そして、ホワイトがつけていた娼婦殺しの詳しい捜査記録を見つけた。その記録は、空の星をつかんでそのほとんどを引きおろそうとしている男のむなしい記録みたいなものだった。その有限な力は、いつまでも赤く燃える怒りの炎によって無限の力に昇華しているようにも見えた。完全なる正義――名前を売るためでもなく、地位も栄光も関係ない。」

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