固定資産

 

監査一部門の清岡です。

 

多くの会社が固定資産を保有していると思います。

固定資産は、「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他」の資産の

3つに区分されます。今回は、その中でも「有形固定資産(形のある物)」

に注目してみましょう。

 

有形固定資産が効果的に運用されているか、また、資産があることにより

売上を効果的に獲得できているのかを知ることが大事です。

 

その方法として、有形固定資産回転率を使用します。

 

 

有形固定資産回転率=売上高/有形固定資産

 
 

この数値が高いほど、「効果的に有形固定資産が運用されている」ということになります。

たとえば製造業は、機械装置(有形固定資産)を利用(運用)して商品を製造し、売上を獲得します。

機械装置を数多く保有しているものの、稼働していない機械装置があると、回転率は低くなります。

 

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一般的に製造業は低く、卸小売業やサービス業は高くなります。

製造業は、商品製造のための機械装置を多く保有しているからです。

 

この指標も、前年もしくは同業他社と比較してみましょう。

 
 

この指標より見えてくるもの

 

回転率が悪化した場合には、次の理由が考えられます。

 

1.売上高が減少した

2.無駄な資産が増えた

 

例えば、利用されていない機械装置があれば、回転率は悪化します。

こういった場合には、有形固定資産の中身の見直しが必要です。

有形固定資産には高額なものが多くあり、その投資の回収は長期間に及びます。

そのためにも有効に運用し、売上高の拡大を図らなくてなりません。

また、不要な有形固定資産は、早急に売却等の対応が必要です。

 
 

例えば、製造業で事業拡大の為に設備投資を行ったが、取引の減少等により売上が大幅に減少した場合。

 

5年前 ・・・ 売上高⇒9億円 有形固定資産⇒3億円

        9億÷3億円=3回転

 

現 在 ・・・ 売上高⇒3億円 有形固定資産⇒2.5億円

        3億円÷2.5億円=1.2回転

 

極端な例ですが、上記のような結果になれば、全く稼動していない有形固定資産があると考えられます。

(売上規模に対して設備投資が過剰な状態です。)

とくに、製造業は設備投資(有形固定資産)の取得時に借入金を行っていますので、稼動していない

資産の借入返済をおこなっていると、資金繰りが上手くいかない事は、誰の目にも明らかです。

先行して設備を充実させることは重要ですが、不要な資産が無いのかを判断が必要です。

 

稼動していない資産が無いか、また稼動していたとしても十分な稼働率であるかなど、自社の規模に

あった有形固定資産であるかの判断材料としてみてください。

  
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