監査業務担当の牟田口です。
相続税は、相続によって財産をもらった時にその取得した財産にかかる税金です。ただ財産だけでなく、同時に負担することになる債務については、財産から控除してくれます。
相続税を計算していると、これは控除できたっけ?と迷うことが、たびたびあります。私の頭の中を整理する為にも、債務控除についてまとめてみましょう。

 

相続税の計算上債務控除できる債務とは、原則、「葬式費用」と「被相続人自身の債務で相続開始の際に現存するもの」に限られます。

 

1.葬式費用

葬式費用は債務ではありませんが、相続税を計算するときは遺産総額から差し引くことができます。
具体的には、葬儀代の他、戒名料、お布施、埋葬費などが含まれます。

*ただし、葬儀社からの請求に含まれていることがある初七日や四十九日の法事分は、含まれませんのでご注意を。

 

2.債務

差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものです。
具体的には、
 

《引けるもの》

・借入金(金融機関のみならず、友人からのものなど含みます)

・亡くなった後に支払う税金(固定資産税、所得税、住民税など)

・病院の医療費

・水道光熱費や電話料金など公共料金の未払金(亡くなる前の期間分のみ)

・事業上の買掛金などの未払金

・預かり敷金(不動産賃貸がある方)

・連帯債務(連帯債務は債務を保証するものではなく、債務者本人であるため確実な債務として控除の対象となります)

 

《引けないもの》

・生前購入していたお墓や仏壇などの未払代金(これらは非課税財産なので、債務控除も出来ません)

・遺産分割協議書の作成や相続登記など、司法書士に依頼したときの報酬

・相続税の申告を、税理士に依頼したときの報酬

・遺産分割協議などで、弁護士に依頼した報酬

・住宅ローンのうち、団体信用生命保険で補填されるもの

・保証債務(相続時点で負担となるのが確実ではないので)

 

などが一般的に考えられるものになります。
相続の際は、気になるものがあれば、必ず相談してみて下さい。相続財産を少しでも減らすことで、確実に節税につながります。計上漏れの無いように注意しましょう。

  
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