監査一部門の牟田口です。

今回は相続税の歴史を勉強してみました。今年第一回目は相続税創設時。

ネタの一つとしてぜひ読んでみてください。

 

1.相続税の創設

01日露戦争(明治37年2月8日~38年9月5日)時代、戦費調達のために

増税が行なわれ、相続税は、その中の一つとして創設されました。

あくまで戦争ための臨時的な増税のはずが、相続税は、なぜか最初

から恒久的な税金として導入されたようです。諸外国でも相続税が

採用されていたものを、日本でも導入しようということで、たまた

まこの時期に重なったと考えられているようです。

 

2.家督相続

当時は家督相続が一般的でした。旧民法では相続は戸籍上の「戸主」の死亡等により開始し、通常

長男のみが戸主の地位と全財産を相続するものとされていました。他の兄弟は何も引き継ぐことは

できず、長男が強い権限を持っていたのです。その代わり一族の面倒をすべて引き受けなければ

なりませんでした。今よりも、家制度や男性社会の考え方が強かった時代ですね。今でも名残は

あり、本家と分家というのもこの時代からのことなのでしょう。

 

3.遺産税方式

0d3447086895e4b7c59f490b9f6c0189_s創設当初の課税方式には遺産税方式が採用されていました。

遺産税方式とは遺産の総額を対象として課税するため、遺産額に対

して税額が先に決まり、後はどう分けようと税額には影響しません。

家督相続の時代には、戸主1人が全財産を引き受けるため、遺産税方

式が向いていたのかもしれません。対して今は、遺産税方式と遺産取

得税方式の折衷案で法定相続分課税方式をとっています。

この辺はどこかでまた詳しく書いてみようと思いますので、今回は「ふーん」という感じで読み進め

てください。

 

4.偶然所得に対する課税

相続税創設時の立法根拠として、「偶然所得課税説」といわれていたようで、今とは少し違います。

相続による財産の取得は、偶然に発生した所得と考え、その取得した財産に対し、負担能力に応じて

税を行おうとするものです。今は、個人所得の精算と富の再分配が課税理由となっていますから、

少し考え方が違うようです。課税する根拠ですから、あとから何とでもなると言われればそうなの

ですが、一応そういう根拠で課税されています。

 

5.税率

家督相続の場合の最低税率は1.2%。かなり低い税率です。遺産相続の場合は少し高く、

最低税率1.5%。あとは被相続人と財産の取得者の親疎(親しいかどうか)で税率が高く

なります。といっても、最高税率14%。今の相続税の税率は10%~55%と比べると、相当

低いですね。最初は低い税率で導入というやり方は今も昔も変わらないということなん

でしょう。

 

今回はこのように創設当時の税制を簡単にまとめてみました。当時の時代背景が、税制にも反映されて

います。次回は、この後の相続税の変遷を書いてみようと思います。

 

* 「戦後増税の財源」写真は、国税庁のHPよりお借りしました。

  
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