オペレーション部門の須藤です。

・ 先祖代々の土地を相続したけど、自宅と離れていて管理が難しい。
・ 利用しないので手放したいけど、売ることもできない。

という方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。

こういった土地は、相続が何度かあると登記もきちんとされず、所有者が分かりにくいことが多くなります。全国的にも現在の所有者不明土地は約410万ha、国土の22%に上り、九州より大きいそうです。
 
今後の相続でも引き取り手に困る、自分の代で何とかしたい、という方に朗報です。
国が土地を引き取る「相続土地国庫帰属制度」が令和5年4月27日から始まりました!
 
【メリット】

● 引き取り手を自分で探さなくても良い
● 1筆の土地単位で申請(処分)できる
● 国が引き取るための基準が明確

 
《帰属できない土地》

・建物が立っている土地
・担保権または使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
・通路等、第三者による使用が予定される土地
・特定有害物質により汚染されている土地
・境界が明らかでない土地、その他所有権で争いのある土地
・崖にあり、管理に多くの費用や労力が必要な土地
・工作物、車輛、樹木など、管理や処分を阻害する有体物がある土地
・除去しなければいけない有体物が埋まっている土地
・隣接所有者と紛争があり、管理が困難な土地
・通常の管理または処分をするのに多くの費用や労力が必要な土地 等

要は、手間がかかる土地や、ややこしい土地は引き取れません、ということですね。
上記のような土地でなければ、農地や森林でも大丈夫です。(農地でも農業委員会の許可取得不要)

 
【デメリット】

● 共有者がいれば、全員が共同して申請する必要がある
● 費用が掛かる ⇒ 審査手数料、負担金(10年分の土地管理費用相当額)

 
【帰属(引き取り)までの流れ】

(法務局へ事前相談)  土地を管轄する法務局で相談(予約制)。
    ↓      登記簿謄本や測量図など、土地の状況が分かる資料を持参
(申請書の作成・提出) 申請書を作成し、法務局の窓口に提出
    ↓      申請時に、印鑑証明や審査手数利用14,000円分印紙等が必要
(要  件  審  査)  書面を審査し、実地調査
    ↓      半年から1年程度
(承認・負担金の納付) 承認されれば、通知に記載されている負担金額を30日以内に納付
    ↓      負担金は、「宅地」「田・畑」の場合は原則20万円。
          「森林」は面積区分に応じた算定。「その他(雑種地、原野等)」は20万円。
 
相続放棄では残しておきたい財産まで全て放棄になってしまいますが、この制度では特定の土地のみを手放すことができます。手間と費用は少しかかりますが、長年の懸案事項を解決する手段のひとつとして、検討する価値がありそうです。

参考:法務省「相続土地国庫帰属制度について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html

  
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