令和6年能登半島地震で、 被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
 
みなさま こんにちは、税理士の光島です。
年初から大きな災害のニュースがあり、これまでそこにあったものが一瞬にしてすがた形を変えてしまうことが現実にあるのだと強く印象に残りました。阪神淡路大震災を経験し、どんなことがあっても大丈夫と思っていたのですが、いざ映像で倒壊する家屋や燃えていく街並みを見ると、少なからずストレスを感じてしまいます。
 
我々は、様々な過去資料を整理・集計・計算・保存して会計帳簿や税務申告書類を作成しています。
災害によって、保存しているあらゆるものを失うリスクに備えるためにも、電子帳簿保存法による電磁的記録は有効な対策の一つであると考えさせられます。
 
電子帳簿保存法は、猶予期間を経て令和6年1月1日より適用されています。
 
もともと、

「電子帳簿保存法は、納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を図るために、その電磁的記録等による保存等を容認しようとするものですが、納税者における国税関係帳簿書類の保存という行為が申告納税制度の基礎をなすものであることに鑑み、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形で、電磁的記録等の保存等を行うことが条件とされています。」
電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】令和5年6月 国税庁 問1より
 
とあるように「データで受け取ったものを紙に出力して保存するなんて、とても非効率である」という考え方のもとに作られた制度です。しかし、通信インフラや技術・システムなどは秒進分歩であり、テクノロジーを制度に取り入れようとすると、制度開始時点では、すでに時代遅れの技術環境をもとにしていたため、ミスマッチがおこり非常に使いにくいものとなってしまいします。
 
電子帳簿保存法については、このミスマッチを考慮して「一問一答」などで柔軟に対応していく姿勢が見てとれます。あくまでも当局側の見解なので、若干、頭が固いところもあるのですが、多くの納税者が声を上げる(当局に質問をしたり意見を伝える)ことによって、実務に寄り添ったものになるのではないかと思います。
 
今年にはいって、<<ECサイトを利用した場合の領収書等データのダウンロードについて>>という、保存方法に関するQ&Aが追加されました。
 
簡単に言うと、ECサイト内でいつでも検索・詳細閲覧・出力できるのであれば、ダウンロードしなくてもいいことが明らかにされています。
「お問い合わせの多いご質問(令和6年1月) Ⅰ【電子取引関係】追2」
 
納税者がダウンロードして保管・管理するよりも、大規模なECサイト内のほうがはるかに整理整頓されている状態ですので、当然といえば当然なのですが、制度設計当時は「電子取引に係る保存義務者において満たすべき真実性の確保及び検索機能の確保の要件を満たしている」ECサイトが少なかったことも影響していたのではないかと思います。
 
姿かたちがあるものもは、いずれ失われていくのと同様に、電磁的なデータも消失したり、サービスを提供している事業者が廃業してしまえばそのデータも失われるわけで、長所短所それぞれありそうですが効率的な事務作業を目指すのであれば、電子帳簿保存法も充分機能しているのではないかと思います。
 
皆さんは、どのようなお考えでしょうか?

では!

  
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