みなさまこんにちは、社員税理士の光島です。
まだまだ、暑いですね。屋外での行動には、適度な水分補給や休憩を忘れずに。

来年(2019年)10月1日からの税率引上げと同時に、軽減税率制度が実施されます。

最近、税務署から軽減税率のお知らせのパンフレットや、税率引き上げの説明会のご案内などが郵送されてきているので、実施の準備が着々と進んでいるなという印象です。

政策上の理由で、これまで数回にわたって実施が延期されてきましたが、このまま延期のアナウンスがなければ、予定通りに実施されます。

8%から10%に引き上げされるので、納税額は単純に約1.25倍になることになります。
 

3% → 5% → 8% → 10%

 
金額の重要性が大きくなれば、その分、税務調査でも確認の重要性が大きくなります。

今回から、決算時に注意していただき、税務調査に備えておきたい事項をピックアップしますので、ぜひ参考にしてください。
 
消費税の計算に関しては、会計ソフトにその集計を依存しているケースが多いので、仕訳データの入力時に、仕訳毎に消費税の区分を指定していく方式が一般的です。

消費税の区分は、勘定科目毎にあらかじめ指定されているのですが、イレギュラーなものがありますので注意が必要です。
 
<消費税の区分(以下「区分」と省略します)の説明>
(会計ソフトによって表現が異なる場合があります)

「課税」→ 課税売上・課税仕入
「課税輸出」→ 課税資産輸出売上
「非課税」→ 非課税売上・非課税仕入
「不課税」→ 消費税には関係ない

 
<売上に関する区分>

◎ 勘定科目が「売上」であるが、区分が抜けている

入金時に詳細不明のため、仮受処理していたが、のちに内容が判明して、貸方の勘定科目を「売上」等に直接訂正した場合に起こります。区分を「課税」にしてください。

 
◎ 勘定科目が「雑収入」であるが、
  その内容が貸付金の利息の場合に、区分が「非課税」となっていない

従業員や役員に対する貸付金から発生する受取利息に関しても、預金利息と同様に非課税売上となります。

勘定科目が「受取利息」の場合は、区分があらかじめ「非課税」になっている場合がほとんどですが、勘定科目を「雑収入」で処理する場合には、区分が「課税」になっていることが多いので、「非課税」に訂正してください。

 
◎ 勘定科目が「雑収入」であるが、
  その内容が助成金や保険返戻金の場合に、区分が「不課税」となっていない

助成金や保険返戻金は、消費税には関係ありません。
区分が「課税」になっていることが多いので、「不課税」に訂正してください。

注)売上に関する区分では、「非課税」と「不課税」では大きく意味が違ってきますので注意が必要です

 
◎ 勘定科目が「雑収入」や「受取家賃」であるが、
  その内容が土地の貸付によるものや社宅の場合に、区分が「非課税」となっていない

不動産の貸付による収入の場合、土地のみの貸付や居住用の住宅の貸付の場合は、「非課税」売上となります。区分が「課税」になっている場合は、「非課税」に訂正してください。

注)「非課税」となるもの・・・土地・有価証券・商品券等の譲渡、預貯金利子や社会保険医療等

 
◎ 勘定科目が「売上」であるが、
  課税資産の国内取引でない場合に、区分が「課税輸出」となっていない

国内取引における売上でない場合には、つまり、輸出の場合、消費税の区分が「課税輸出」となります。国際間での消費税の税率差を調整するために、輸出の消費税率を0%に設定します。
区分が「課税」になっている場合は、「課税輸出」に訂正してください。

 
会計ソフトによって処理している場合には、仕訳の抽出機能をつかって、チェックすることが可能です。

例えば一つ目のケースのような場合では、抽出条件を「勘定科目 売上」+「区分 なし」にしてやると、対象仕訳が抽出できますので、素早く正確に区分の訂正が完了します。

月次試算表の作成時に、上記の項目を確実にチェックするだけで、決算時のチェックが格段に楽になります。

また、上記の項目が確実にチェックされていることが確認できれば、税務調査で売上に関する消費税の指摘はほぼなくなると思います。

次回は、原価・経費編にしたいと思います。では!

  
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