原題は「裏に道あり-『相場師』平蔵が行く」1983年の刊行ということですから、ちょうどバブル期ですね。
株式とか金融とか、そんなんが流行する周期があるのでしょうか、最近はネット取引も盛んですから、せっかく貯めた小金を手数料でとられる人が多くなりました。

で、この本は実話をもとにしたそうで、ある老人が、日本セメント株から仕掛けて、同和鉱業、住友金属鉱山と、失敗もありながらも株で大儲けしていくストーリーです。100億とか200億とか、ときめくお金の話ですな。でも、株でこれだけ大儲けするには、結局その株を抵当にして高利で借金しなくてはいけないわけですから、結局だれが儲かったのかというところが、疑問です。

津本陽の現代もの、ということで読みました。
津本陽の文章には、錆びた刀でじりじりと切られるような、そんなすごみのある表現が多いのですが、今回はその独特の文章のすごみが感じられない作品でした。彼も若かったということでしょうか。

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