Book10001監査一部門の清岡です。

前回、損益計算書だけでなく、資金の流れが分かる「キャッシュフロー計算書」も併せて見ることが重要だと述べました。

そこから何が見えてくるのでしょうか?

キャッシュフロー計算書は、活動の種類により、以下のように区分されます。

それぞれの区分に応じて意味するものが違い、また注意すべき内容も変わってきます。

 

【営業活動によるキャッシュフロー】・・・営業CF

本業による収入と支出との差額を表しています。

つまり本業を行った結果として、どれだけ資金が増えたのか、または減ったのかを表しています。

ここで、キャッシュがマイナスと言う事は、本業が上手く行っておらず資金不足にあると言えます。


【投資活動によるキャッシュフロー】
・・・投資CF

設備投資や株などの取得や売却による資金の流れを表しています。

会社が大きくなる際には、設備投資などによりキャッシュがマイナスになります。

逆に、規模の縮小や資金繰りのため、保有資産の売却によってキャッシュがプラスになる事もあります。


【財務活動によるキャッシュフロー】
・・・財務CF

資金不足をどのように準備(借入金等)してきたのか、また、その資金の返済をどのくらいしているのかを表しています。

借入れを行えば、プラスになり、反対に返済を行えばマイナスとなります。

《 まとめ 》

活動区分 状況 評価
営業活動 本業が順調
 〃 不調
投資活動 投資不足
投資積極的
財務活動 借入金増加
借入金減少

このように、資金の流れを多角的に見ることにより、
損益計算書だけでは分からなかった経営の実態が把握できるようになります。

あなたの会社はどのタイプ?(+、△の表示と数で規模を表しています)

営業CF 投資CF 財務CF 特  徴
優良タイプ ++ 本業で十分なCFを生み、そのお金で投資を行い、また借入金の返済も出来ている
成長タイプ ++ 本業でもCFを生み、更に借入金を行い、積極的に投資を行っている
再建タイプ ++ 本業ではキャッシュが生み出せていないため、借入金を行い、投資を行っている。当面は再建の見込みが出来るまでは資金繰りの注意が必要
要注意タイプ 本業ではキャッシュを生み出せていないため、保有資産の売却及び借入金により資金を繋いでいる

 

要注意タイプは、銀行等の協力も必要になりますので、本来であれば事前に資金繰り予測をしておき、早めのタイミングで融資の実行に向けて動いて行くものです。

しかしながら、このタイプに多いのは、キャッシュフローが見えていないために、資金繰り予測が出来ておらず、資金不足ギリギリになってから融資の依頼したり、金策に走り回らなくてはなりません。

これでは、いつまで経ってもこの状況からは、抜け出せません。

逆に言えば、事業計画、資金予測の出来ている会社は、この状況になり難いともいえます。

少し脱線しましたが、事業を行う上では、利益を出すことも大事ですが、キャッシュフロー(お金の流れ)を知る事も大事なのです。

  
コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください


Copyright(c) 2024 FARM Consulting Group All Rights Reserved.