監査第一部門 牟田口です。

今回は相続で重要な法定相続分についてです。

法定相続分とは、相続分の指定がないとき、相続人の相続分は民法によることとなっています。

これはあくまでも目安で、必ず法定相続分で遺産分割しなければならないわけではありません。

 

§ 法定相続分の具体例

 

①配偶者と子が相続人の場合
 

配偶者1/2 子1/2

子が複数の場合は、子の取り分1/2をその子全員で均等に分ける。
 

法定相続分-1


相続人が配偶者のみの場合は、配偶者が全部。

相続人が子のみの場合は、子が全部。

 

②配偶者と直系尊属が相続人の場合


配偶者2/3 直系尊属1/3

同順位の直系尊属が複数いる場合は、その直系尊属で均等に分ける。
 

法定相続分-21


ちなみに直系尊属とは、本人の父母(1親等)、祖父母(2親等)、曾祖母(3親等)など、自分より前の世代のことをいいます。ここでいう「父母」は、養子縁組をした養父母も含みます。

 

③配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合


配偶者3/4 兄弟姉妹1/4
 

法定相続分-31


 

以上が民法で定める相続分です。さてこの相続分には注意点があります。

子がいる場合を中心に、以下何点か上げていきます。

 

①非嫡出子の相続分

 

非嫡出子とは法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。

以前は非嫡出子の相続分を、嫡出子の1/2と定めていました。

しかし最高裁でこの規定については、法の下の平等を定める憲法に違反するという決定をしました。

それで現在は同等となっています。

この決定がされた時は相当違和感がありましたが、

諸外国の事情等見てみると、婚外子というのは、現在では珍しくないのです。

 

②父に認知されていない婚外子の相続分


父に認知されていない、婚外子は相続人になれません。

母子関係では、認知などしなくても分娩によって親子関係は当然に発生し、相続権は認められます。

しかし、父子関係では、認知が重要となります。

父の認知を受けていな子は、法律的な親子関係が一切ないものとして扱われるのです。

 

③胎児の相続分

 

胎児は相続に関しては、既に生まれたものとみなします。

ただし死産となった場合は相続人とはなりません。

なので、生まれて初めて相続人がそろうということになります。相続分は他の子と同等です。

 

④連れ子

 

配偶者の連れ子は相続人ではありません。血縁関係がないと相続人にはなれないのです。

ただし生前に養子縁組しておけば、相続人になれます。

またはその連れ子に財産を残す内容の遺言を書いておくのも、ひとつの方法です。

 
 

【 参考 】

国税庁HPで、相続税の申告手続きが必要かどうかを判定できるコーナーが開設されています。

法定相続人の数や相続する財産金額などを入力すると、判定結果が表示される仕組みです。

申告の要否を調べる目安として活用して見てください。

https://www.keisan.nta.go.jp/sozoku/yohihantei/top#bsctrl

  
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