みなさんこんにちは、社員税理士の光島です。
今回は、旅行コラムっぽく書いてみます。
 
先日、お客様の周年行事で北欧(フィンランドのヘルシンキ)に行ってきました。北欧は、その会社のルーツとなる会社があるところです。この時期はマイナス数十度かな、と怯えていたのですが、到着してみればマイナス数度くらい。出発の前日に行った鳥取の方が気温が低かった??かもしれません。
 
周年パーティでは、現地の会社の方も参加され、盛大なものになりました。せっかくの日本の会社のからの参加ということで、ご一緒させていただいたM社長さんと一緒に、能を披露しました。私は全く経験がないので、M社長の全面的なサポートで、ほんの少しだけの出演です。少しは、現地の会社のみなさんに喜んでいただけたと思います。
 
ただ、心残りは、周年パーティ当日、私のことを税理士だとアピールする機会が少なかったので、日本からやってきた、伝統芸能をする人と間違えているのではないかというところです。笑
 
さて、海外旅行に行くとお土産を買ったりするのですが、消費税や付加価値税(VAT)を導入している国では、いわゆる外国人旅行者に対して消費税を還付処理をしてくれるお店やコーナーがあります。
これは、外国人旅行者等がみやげ品等を国外へ持ち帰ることは、実質的に輸出(輸出免税)と同じであることから設けられている制度です。
 
日本でも、海外旅行者向けの輸出物品販売場があり、税務署の許可を受けた事業者のみがその設置を許されます。近年、インバウンド狙いで規制が緩和されているので、百貨店や大手家電量販店など結構いろいろなところで目にすることもあると思います。
 
この「輸出免税」という制度は非常によくできた制度で、世界中の異なる税率を、瞬時に自国の消費税に変換する方法です。消費税は、売上として預った消費税から、経費等で支払った消費税を差引して納付する納税制度です。
 
1つの国の中でのお話であれば、なんら問題ないのですが、輸出や輸入が絡むと話がややこしくなります。
たとえば、日本で買った車を、アメリカへ輸出したとしましょう。
この輸出免税の制度がなければ、アメリカへ車を輸出したときに、多分「アメリカの税率で消費税」を受取ることになると思います。
 
しかし、アメリカへの輸出で預った「アメリカの税率の消費税」から、日本で車を買ったときに支払った「日本の税率の消費税」を差引いて、日本の税務署へ納付すると、税務当局にとっては非常にまずい事態になります。
 
なぜならば、アメリカの税務当局は「アメリカの消費税」を管理し、日本の税務当局は「日本の消費税」を管理しています。この場合、「アメリカの税率の消費税」の一部が、日本の税務当局に納税されてしまいます。消費税の税率の低い国ですと、延々とよその国の消費税を還付しなければならなくなる羽目に陥りそうです。
 
そこで輸出免税という方法が考え出されたわけです。
輸出の際は、「消費税率=0%」 とするのです。
 
そうすると、アメリカへの輸出なので、アメリカで預かるべき「アメリカの消費税の税率」は0%となり、税額は0円(免税)となります。日本で車を買ったときに支払った消費税は、他に取引がなければ全額控除することができるので丸々還付となるわけです。
 
事業者の場合は、このように精算制度を利用することによって調整されますが、消費税は、自国のものしか調整しない仕組みになっています。
ただ、本来の消費税の最終負担者である「消費者」の場合は、この精算制度がありません。
 
よって、海外旅行者も最終消費者となるので、この輸出免税という制度を利用して、免税にしたり還付することで消費税の調整をしようと考えられたわけです。
海外では、少しでも節約して、必要なものに予算を振り向けたいと思うものです。
出国の際は、渡航先の制度を確認しておいてくださいね。

  
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