監査業務第二課の金森です。
最近加入されている方も多い「外貨建て生命保険」とは、どのような保険なのでしょうか?
 
「マイナス金利政策」によって生命保険業界が大きく変わりました。低金利の影響で円建ての貯蓄性ある商品が販売中止になったり、保険料が大幅に上がったりしています。そこで代わりに登場してきたのが、外貨建て生命保険です。
 
多くの方が普通に入る生命保険は、日本円で保険料を支払い、万が一の場合は、まとまったお金が支払われます。満期の時の「受取金」や、途中で解約した際の「解約返戻金」がある契約もありますが、基本的には、「亡くなった時の保障」「入院時の保障」の二つになります。満期時に保険金を受け取れるのは、この二つの保障に貯蓄機能をプラスした契約です。
 
一方「外貨建て生命保険」は、保険料を外貨で支払い、保険金や満期金は外貨で受け取ります。
外貨で支払う以外は、一般の生命保険と変わりませんが、当然ながら為替の影響があるので、満期時や解約時に当初の契約時より円安になっていたら、受け取れる金額が増えます。反対に円高になれば、受け取る金額が少なくなってしまいます。
 
たとえば・・・

【満期金5万ドルの死亡保険】
《 加入時 》 1ドル=100円(為替手数料は省略)
    日本円 500万円(100円×5万)
《 満期時 》 1ドル=110円(為替手数料は省略)
    日本円 550万円(110円×5万)

 

仮に為替レートが1ドル=120円の場合は、受取額は600万円(120円×5万)。
逆に1ドル=90円の場合は、受取額は450万円(90円×5万)となり、払込額を下回ってしまいます。
 
このような為替リスクを少なくするため、満期保険金や死亡保険金をすぐに受け取らずに保険会社に預けておく(据え置き)商品や、外貨で保険金を受け取れる商品もあります。保険金を据え置きにすると、円安のタイミングを見て保険金を受け取ることが可能です。
 
その他の注意点としては、上の円換算では省略しましたが、保険料の支払いで円を外貨に換える時や、保険金の受取で外貨を円に換える時には、為替手数料がかかります。1ドルにつき○円と決められているので、加入の際にきちんと確認することが大切です。
 
為替リスクを大きく受ける外貨建て生命保険は、どちらかといえば「投資型の商品」と考えた方が良いかもしれませんね。保険加入の目的は、それぞれで違うと思います。自分のニーズに合った保険かどうか、内容を十分理解したうえで加入されることをお勧めします。

  
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