監査二部門の梅本です。

数回にわたり、減価償却について解説していますが、やはり中古資産の購入や少額資産の購入が、実務上では最も頻繁に遭遇します。
 

「少しでも早く経費にした方が、税金が安くなって有利」

 
これは基本的には、変わりません。
ただし目先の節税にこだわりすぎるのも問題です。
 
具体的にどういう事か見てみましょう。
以前ご紹介した中古車を購入したケースを使用してみます。
 
例)【 期首に600万円の中古車を購入、耐用年数は3年(償却率0.667)】

600万 × 0.667 = 400万

→ 600万円の大半、400万円が購入初年度の経費に計上可能

 
このケース、初年度の経費が多く、得をしたように感じるかもしれません。
実際、購入年度の法人税は少なくなるでしょう。
 
しかし、もし翌期にその車両を売却してしまったらどうでしょう?
中古車の相場は1年ではそんなに変わりませんから、550万円で売れたと仮定しましょう。

550万 – *200万 = 350万

* 翌期首の簿価 600万 – 400万 = 200万円 で計算

350万円が「車両売却益」として、課税の対象になってしまうのです。
結果的には、節税の類のほとんどは『課税の繰延』です。
 

当面の税金対策をしたいのか、それとも毎期継続して利益を出したいのか。

どこまで計画的にするのか、行き当たりばったりでするのか。

 
それが分かれ道だと思います。
車の売却がたった1ヶ月前後するだけでも、決算書も法人税の負担も変わります。

「経費になりますよ」
「節税効果が高いですよ」

 
というセールストークは、あくまで御社の財務状況の推移を把握していない、営業マンの台詞です。
 
ぜひ表面的なトークに流されず、御社のために将来にわたっての節税を考えられる税理士に相談してください。対策は早目が効果的!何事も早めに相談!これが一番の節税です。

  
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