2部門の中澤です。

問題です。
「サラさんは、起きている時間の半分で家の手伝いを、残りの時間の2/3で妹の世話をします。6時間寝たとき、勉強は何時間できますか?学校へは、歩いて往復3時間かかるものとします。」

 

これは、子ども支援の国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンの広告です。
この問題の答えは0時間。「これは問題です。」と、問題提起をしているCMになっているのですが、テレビで流れていたのでご覧になられた方もたくさんいらっしゃると思います。
世界には、貧困、紛争、災害などの為に厳しい状況下での生活を余儀なくされている人達が大勢いて、中でも子供たちが犠牲になっているのが現状です。

 

先日、フィリピンの貧しい村で看護・助産師活動をされている冨田江里子さんの講演会に行ってきました。現地に入った人にしかわからない生の声を聞く事ができました。テレビで映し出される裸足の子供達。
「靴や履物が買えないんだ、かわいそう・・・。」と思ってしまうのですが、現地ではそれが当たり前。むしろ裸足のほうが地面をしっかり掴めて健康に良いし、偏平足の人がいないのだとか。
そして、なんでもかんでも「除菌、除菌」とうるさくなってしまった日本。必要不可欠な「常在菌」までも殺してしまっている始末。人間の自然治癒力は「常在菌」が鍵になるとの事です。

 

お産も日本では清潔な病院で行われる事が一般的です。しかし冨田さんの関わられた妊婦さん達は、とても清潔とはいえない状況下で出産しているにも関わらず、赤ちゃん達は何の問題もなく、元気で健康に育っているとの事でした。
そして「常在菌」は笑顔や愛情で活性化するとの事です。現地では、悲観的になってしまうような事でも「大丈夫、大丈夫」とポジティブシンキング。結果、しばらく安静と思われた患者さんがその日のうちに自分の足で帰って行くそうです。

 

「ストレスは万病の元ではない、有害と信じる事が万病の元だ」
という心理学者ケリー・マクゴニガル氏の話を引用され、「病気になっても自分の身体に必要な適応反射だと思う事が大事」と話されていたことがこの日一番印象に残った言葉でした。

 

書籍の販売もあり、『フィリピンの小さな産院から』はそのまま寄付金になるという事で購入しました。
最近では貧しい地方にも行政の手が届くようになったそうですが、2013年に出版された頃の病院は、お金持ちの為だけに存在しているようなものでした。
「治療を受けたいならまずはお金を払いなさい」
貧しい患者は治療も後回しで、粗末に扱われる始末。その為に助かったであろう命が失われた悲劇が書かれていました。

 

また貧しいが為に、女性は低年齢で結婚をし、出産をします。初産年齢が14歳で20歳の頃には子供が2、3人と、日本ではあまり考えられない事態です。そんな現実があって、無料診断で受診の出来る冨田さんのクリニックは現地の人たちにとって大変有難かったに違いありません。ここまで極端な貧富の差。「この国の行政はどうなっているんだ!」と歯がゆくなります。 国を動かしているのは富裕層の人達。貧しい人達は置き去りですか?

 

冨田江里子さんは2020年からの小学校の教科書に載る事になっているそうです。
このフィリピンでの活動が評価され色々と表彰もされています。また、「情熱大陸」や「世界の村で発見!こんなところに日本人」とテレビ番組でも活動の様子が取り上げられていました。
実際にお会いした冨田さんは小柄で華奢な方でしたが、エネルギッシュでバタリティーのある素敵な方でした。

 

私にも何かできる事をと、最近「国境なき医師団」のマンスリーサポーターになりました。少しだけですが、何かのお役に立つ事ができればいいなと思います。

  
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