監査二部門の梅本です。

今回のコラムは、お付き合いの長い顧問先様のB/Sを見ていると頻出する「電話加入権」についてです。
 
ご存じない方のために説明しますと、以前はインフラ整備が不十分だったため、「電話回線を引く権利」というものが存在しました。つまり、会社で固定電話を使用するためには、電話回線一本当たり約7万円という負担金を支払う必要があったのです。
 
では、その電話加入権を取得すために支払った費用は、会計上・税務上どのように処理されるのでしょうか。
 
ます、電話加入権は、「無形固定資産」です。
無形固定資産とは、「ソフトウェア」「特許権」「鉱業権」などの、形は無いけれど権利として価値があるものです。それぞれの資産ごとに耐用年数が定められて期間に応じて減価償却をしていきます。
 
では、電話加入権はどうなのでしょうか。
 
結論から言いますと、電話加入権は「非償却資産」のため、減価償却をしません。
期間により価値が減少するものではない、という事なのでしょう。土地、借地権、書画骨董などと同じ扱いですね。
 
さて前置きが長くなってしまいましたね。
つまりは、昔支払った電話加入権の代金が、そのままB/Sに載っているのです。
 
しかし、現在インターネットの普及に伴い、電話加入権の価値が下落しています。平成17年にほぼ半額に引き下げられ、中古市場での相場もさらに下落しています。
 
また電話加入権がなくても、固定電話を使用できるようになり、ますます電話加入権が必要とされなくなっています。
 
では、そのような現状を踏まえ、もし使用していない電話加入権がある場合、B/S上の電話加入権はどのように処理をすればよいのでしょうか?
 
まず考えられるのが、時価が大きく下がっているため「評価損」を計上することでしょうか。
実際に価値が下落しているものを、そのままの金額でB/Sに計上していることには違和感があります。
 
では、この評価損は税務上認められるのでしょうか?

NO!です。

税務上は、資産の評価損を一定の場合を除き認めていません。
電話加入権の価値の下落は、その一定の要件を満たしていないのです。
 
では、電話加入権を譲渡・解約した場合はどうでしょうか?
 
その場合は、所有していない事になり、売却損・除却損を計上することが可能になるはずです。
また、休止の手続きをしてから10年すると自動解約になり、権利が失効します。
その場合も、除却損が計上可能です。
 
ただし、手続きがされなりに煩雑になるため、実際に解約・休止されているかたの方が少数でしょう。
少しでも損金を多く計上したい、B/Sから不明瞭な資産を省きたい、そういった時には検討する価値はあると思います。
 
本当は評価損を認めるのが一番早いのでしょうが、国の税収減になるでしょうから、もうしばらくは現状のままなのでしょうね。

  
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