監査二部門の梅本です。

少し前に某大企業の経営者による特別背任が、世間をにぎわしていましたね。今回は、法人に関する「違法行為」にスポットをあててみたいと思います。
 
以前の私のコラム「 会社の資産が『横領』された!税務処理はどのように? 」にも書きましたが、実務で私共が良く遭遇する事案は、やはり「役員・従業員さんによる横領」でしょうか。非常に残念な事です。
 
もし実際に横領があった時の扱いを、再確認の意味もこめてお伝えしておきます。
 
まずは、金銭の詐取・使い込み・商品の横領・横流しによる損失額を確定させる事からスタートです。
もし100万円の損失が確定した場合、100万円を経費計上する事になります。
 

雑損失 100万 / 預金等 100万


 

しかし、考え方が面倒なのはここからです。
もし、会社が損害を受けた場合、当然ですが、損害を与えた従業員に対し、損害賠償を請求する権利が(求償権)会社に発生します。

 
つまり、100万円経費に計上し、同時に100万円を収益にも計上します。
 

未収金 100万 / 雑収入 100万


 

その後 回収が不可能になった場合は、その時点で債権が消滅するため、「貸倒損失」として経費計上が可能です。つまり、横領等があってから、経費計上できるまではタイムラグがあるということです。

 

貸倒損失 / 未収金


 

そもそも、横領等があったとして、それが実際に発覚するのは随分後になる事が多いでしょう。そこから、さらに金銭等の回収です。会社としても、かなりの労力を費やさなければなりません。
何か起こってからではなく、不正を未然に防げる体制づくり、それが会社にとっても役員・従業員さんにとっても、必要不可欠でしょう。

 
では、これとは逆に会社が違法行為をした場合の取り扱いはどうでしょうか?
違法行為といっても様々なのですが、今回は範囲を狭めて以下のようなケースに絞ってみました。
 
具体的に

1.違法な行為により、売上を上げた
2.禁止されている、賄賂を払った
3.脱税工作の為に、費用を支払った

 
まず、1.です。法律を犯していようが、売上は売上。利益は利益です。
もしその売上を基に利益が出た場合は、納税義務が発生します。
ただし、違法行為の場合は、発覚後、売上の返金などになりえます。その場合は、もちろん、売上のマイナスとして取り扱われます。
 
次に、2.は公務員に対する賄賂などですね。こちらは、交際費との区別が難しいのですが、現在では、違法とされている賄賂に関しては損金になりません。ただし、公務員・政治家などへの賄賂は、相手先を明かせない事が多い為「使途秘匿金」として扱われる事もあります。
 
最後に3.です。脱税のための書類作成料、コンサル料、など、こちらも会社から支払われていれば当然損金になりません。むしろ、そんな費用まで経費にしようという発想がかなり厚かましいのですが・・・。以前は、規定が存在しなかったため、改正され「不正行為等に係る費用等の損金不算入」という規定ができました。
 
当然といえば当然ですが、いずれも違法行為に関しては、税務上も厳しい扱いになっています。
また、謝礼や接待などの、「交際費」、リベートなどの「売上割戻し」、相手先を明かせない「使途秘匿金」など、似たような支出が多いため、どのような性質の取引に該当するのか、しっかり理解しておきましょう。

会社を継続して繁栄させていくため、会社を守るため、法律はしっかり守って下さいね!

  
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