監査業務担当の清岡です。
質問です。
次の各種の利益のうちに、もっとも重要な利益は何でしょうか?
「売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益であなたが最も重視する利益を選んで下さい。」
 

損益計算書は上の4つの利益で構成されています。
人によりそれぞれ重視する利益が違うと思われます。しかし、大半が営業利益、経常利益と言われるのではないでしょうか。
 

営業利益では会社の本質的な利益を生みだす力が見えますし、またその営業利益を生出すために借入金を利用しているのであれば、その支払利息を加味した経常利益を見るのも正しいでしょう。
どれを選んでも間違いではありません。それぞれの利益には意味があります。
 

では、会社で社員にも同じ質問をしてみて下さい。
社員はどの利益を重視しているのでしょうか?もしかしたら社長も含めて、全員が経常利益と一致するかもしれません。社員全員の意識が統一されていますね。
 

本当にそれで良いのでしょうか?
4つの利益にはそれぞれに意味があります。
例えば、自社が製造業で考えてみます。
工場長は売上総利益を重視して原価率や廃棄ロスに注目している。
営業部門は営業利益を重視して本業での利益獲得に注目している。
経理部門は事業の総合的は利益である経常利益に注目している。
 

この場合であれば、それぞれの立場がそれぞれの目線で利益に注目しているために、業績の見方が一つではなくなります。
重視する利益が違うことにより、会社全体の業績をより細分化された分析や対応が可能になります。

 
会社を経営していると、赤字決算の年もありますよね。その際にも決算書を正しく活かして対応策を検討する必要があります。それぞれの利益に重視している人(部門)があれば、より詳しく分析が可能になります。また、質問を投げかけても原因と対策の回答が得られるはずです。
 

まずは全ての利益の重要性を理解してみてください。

売上総利益 大雑把な会社の収益(売上から原価のみを差引いた利益)
営業利益  会社が本業で稼いだ利益(売上から売上に必要なコストを差引いた利益)
経常利益  会社が通常行っている業務の中で得た利益(事業の総合的な利益)
当期純利益 会社の総括的な最終利益

  
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