監査業務担当の牟田口です。
相続税の申告をする必要があるのは、死亡者のうち約8.3%(令和元年)です。10人に1人いないぐらい。その他のだいたい92%ほどの方は、相続税の申告が必要なかったということなので、ほとんどの方は相続税の経験がないことになります。
 
しかし相続税の申告がないといっても、皆さん不動産や有価証券、預金などのなんらかの財産を持っておられます。もし身近に相続が発生すると、葬式などの手続きが終わり四十九日も終わるころ、その相続人の財産の名義変更の手続が待っているのです。
 
これが大変です。各金融機関に連絡して、名義変更の手続をお願いし、各金融機関独自の書類に相続人全員が押印し、相続人全員の戸籍や印鑑証明など揃えていかないといけません。これらの手続きに慣れている方は普通はいません。
 
その手続の中で意外と手間がかかるのが、「戸籍」です。まずなぜ戸籍が必要なのでしょう?これは亡くなった方の相続人を確定させるために必ず必要で、相続人全員の同意がないと、金融機関が解約や名義変更の手続をしてくれないのです。
 
戸籍は現状のものだけでは足りません。戸籍は必ずその被相続人の方の「出生から死亡までの戸籍」を取らないといけません。現状の戸籍では相続人全員を確定することは残念ながらできないので、出生から死亡までのすべての戸籍を調べ、現状わかっている相続人以外に相続人になる親族の有無を調べるのです。
 
では「出生から死亡までの戸籍」の取得は、実際にどのように手続きするのでしょう。
 

1.最初に現状の戸籍謄本(抄本ではありません)を取得します。死亡後の日付で除籍されているものが必要です。

 

2.次に1の戸籍に記入されている前の戸籍をたどっていきます。

近くならその役所まで行き発行してもらえますが、遠方になると、時間も交通費ももったいないため、郵送でも取れます。そのときに注意しないといけないのが手数料の支払いです。同じ役所でも戸籍の改正などできた改製原戸籍や除籍謄本があり、複数戸籍がある場合が多々あります。そのため、多めに手数料(通常は郵便局で発行してもらう定額小為替)を入れておくと良いと思います。もし手数楼が多ければ返してもらえるのでご安心を。

 

3.そしてその前の戸籍があれば次の役所へ同じことをします。

引っ越しするたびに本籍を動かすなど、何度も本籍を動かしている方は、これを繰り返すことになります。そう考えると通常の生活の中で戸籍を取ることなどほとんど有りませんから、実家においておくなどあまり動かさないほうが良いかもしれません。

 

4.最終的に出生が確認できる戸籍が取れればOKとなります。

 
役所一箇所でも、郵送でお願いすると通常1週間ほどかかり、手間と時間は相当なもの。弊社へ相続の依頼があったときなど簡単に「戸籍もろもろご用意お願いします。」とお願いしてきましたが、最近私もこのような手続きして実際にしてみて、本当に正直面倒です。少し反省です。
 
どうしても時間がない、そんなことしたくないという方は、行政書士や司法書士などの専門家に依頼すれば、費用はかかりますが、簡単です。ちなみに弊社に相続の依頼があった場合、基本的に司法書士さんにお願いすることをおすすめしています。
 
あとは、練習がてら自身の「出生から死亡までの戸籍」を取ってみるのも良いかもしれません。自分史がみれるかもです。
 

  
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