監査業務担当の清岡です。会社経営をするなかで利益の話はよく出ますよね。今期の利益をいくらにする!売上高をいくらにする!などと、目標を定める場合にも必ず話題となります。
 
また、利益は進行期の数字(分析)の把握の際にも必要な情報といえます。そして、その数字を使って今後の利益を増やす方法や、または損失を抑える方法を検証することも大切となります。それでは、質問です。
 
会社の最大赤字を検証したことはありますか?また、自社の最大赤字を知っていますか?
 
最大赤字を知ることはとても重要です。会社の最大赤字はどの様に計算されるのでしょうか。それは、売上高がゼロ(0円)の時の固定費の合計額となります。実際に損益分岐点を見てみましょう。(※ 損益分岐点とは、利益がゼロ(0円)になるポイントをさします。)
 

損益分岐点を求める式

損益分岐点 = 固定費 ÷{ 1 -(変動費÷売上高)}

※ 固定費とは、売上高の大小に影響されない費用
※ 変動費とは、売上高に連動して増減する費用

 
上の式をもとに、次の例にあてはめ計算してみましょう。
 

(例)固定費 75  変動費 50 売上 200

75÷{1-(50÷200)}=100

 
上の例では、損益分岐点売上は100となります。100以下では、赤字になるということです。つまり、売上がゼロ(0円)に近づけば近づくほどの赤字が増加し、売上がゼロ(0円)となった時、最大の赤字となります。
 
上記の算式で損益分岐点、最大赤字が分かったと思います。年間を通して売上がゼロ(0円)は考えられませんが、単月や数か月単位では赤字はありえますよね。その赤字を解消するのが、限界利益です。
それでは限界利益と併せて、限界利益率にも触れておきます。
 

限界利益率を求める式

限界利益率=(1-変動費÷売上高)×100

 
上の例の数値を当てはめると、

(1-50÷200)×100=75%

すなわち、売上100の限界利益は100×75%=75となります。売上が100増えるたびに限界利益が75増加するのです。過去(先月等)の赤字を解消するために必要な売上高を求める際にも、この限界利益率の利用が可能です。
 

以上により、売上高300で先月の赤字が解消されると計算されます。
 
最大赤字を知り、その赤字を解消するために必要な売上高を知ることも必要です。その他にも固定費の見直し、変動率の検証等も同時におこないましょう。

  
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