監査業務担当の清岡です。
次の事業はするべきでしょうか。
 
以下の条件の物件があった場合の財務経営判断をしてみましょう。

 

・土地 5億
・建物 5億(法定耐用年数50年間)
・年間管理費 1千万円
・表面利回り5%
・法人税等 33.3%とする。
※ 表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 購入価格
(過去のブログ参照:https://fc-partners.net/?p=20009)

 

上記の条件でこの会社の決算書の数字を計算してみます。

① 売上高   5,000万円(年間家賃収入=購入価格×表面利回り)10憶×5%
② 諸経費   1,000万円(年間管理費)
③ 減価償却費 1,000万円(5億円×0.02(耐用年数50年の償却率)
④ 経費合計  2,000万円(②+③)
⑤ 当期利益  3,000万円(①-④)
⑥ 法人税等  1,000万円(⑤×33.3%)
⑦ 税引後利益 2,000万円(⑤-⑥)

 

数字を見るととても優秀な会社です。利益も十分にでています。
事業として立派に成り立っていますね。
 
それでは、次の条件を足してみましょう!
 

不動産取得のために10憶円を銀行から借り入れました。
・返済期間 20年間(金利1%)
・年間支払利息 1,000万円(10憶円×1%=1,000万円 *便宜上簡易計算)

 
この条件で上の決算書に当てはめてみましょう。
 
一部割愛

⑤ 当期利益  2,000万円(3,000万円-1,000万円)※ 支払利息分費用が増加
⑥ 法人税等   666万円(⑤×33.3%)
⑦ 税引後利益 1,334万円(⑤-⑥)

 

やはり十分に利益がでています。とても優秀な会社ですね!!
本当にそうでしょうか。
 
少し視点を変えて現金の動きを見てみます。
 

入金額  5,000万円(売上高)
出金額  6,666万円
差額  △1,666万円

※出金額の計算方法
諸経費1,000万円+法人税等666万円+借入元本返済額5,000万円=6,666万円
(借入元本返済額=借入金10憶÷返済期間20年)

 

いきなり資金ショートしてしまいました。毎年お金が足りない状況が続きます。
結果、この事業は『おこなってはいけない』となります。
 

それでは何が問題だったのでしょうか。

1. 借入金の返済期間が短い。⇒ 返済期間が50年であれば資金ショートしない。
2. 自己資金が無かった。⇒ 全額自己資金であれば資金ショートしない。

 
決算書の数字だけでは見えない内容です。
 

今回のようにシンプルな内容であればすぐに判断が可能です。
しかし実際の決算書は数字が複雑に絡みあっています。
 

そこで、簡単に資金がショートしないかを判断する目安の一つとなる計算方法をご紹介します。
 

現金損益 =(当期利益+減価償却)-(返済元本+保険積立金)

 

※ 固定資産は、融資で取得とする。
この算式で現金損益がプラスであれば問題ありません。
マイナスになる場合は、内容の確認が必要です。
 

此方のブログも合わせて読んでみてください。
https://fc-partners.net/?p=12081

  
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