いよいよこの「つぶやき」も今回499話となり、次回で500話(^^)/ そういう区切りという事で、二話にわたり私の事をちょっと紹介がてら、回顧録的な内容を書いてみようと思いました。次回「つぶやき」まで引っ張りますが、どうぞお付き合いください。

■私の原点 ~元町の洋菓子工場から~

私が生まれたのは、神戸の元町というところです。もうかなり前の話でして…気がつけば、こんな歳になっていました (-\_-;)

私の両親は、親戚たちと共に約70年前にこの元町で洋菓子工場を立ち上げました。今でいう超超ブラックな現場です(笑)。洋菓子がまだ珍しかった時代で、おかげさまで大ヒット。冬場には三交代制で、24時間フル稼働。それでも追いつかないほどの需要で、製品の取り合いになるお客様の姿が、今もおぼろげに記憶に残っています。

製造していたのは、ロールケーキを中心に、マドレーヌ、フィナンシェ、アップルパイ、クローネ(コルネ)、クッキー、長崎カステラなどなど。その中でも私の思考や感性を育ててくれたのが「バームクーヘン」でした。

当時は冷蔵庫が小さく、生クリームは使わずすべてバター。夏は保存が難しいため売上も少なくなりましたが、冬になると小さな工場はフル回転。働く人たちの労働時間は、もはや「超プラチナ級」と言えるほど過酷でした。

■初めての仕事は小2の冬休み

そんな家業だったので、私が初めて「仕事」をしたのは小学校2年生の冬休み。クリスマスケーキの製造です。

当時の神戸はクリスマスといえば雪。暖房を入れるとバターが溶けてしまうので、暖房なしでの作業。寒さで動かなくなる指に「もっと動かせ!動かせば温もる!」と檄が飛ぶ…。そうやって、寒さと戦いながらケーキを作り続けていました。

当時の資料によると、クリスマスケーキだけで2万個以上をすべて手作業で製造。しかも、それとは別に毎日のケーキも同数製造。子どもだろうが駆り出され、労働契約書こそありませんが、タイムカードは支給されました(笑)。

学校が終わるとすぐ出勤、休みの日は朝7時半から出勤して「打刻」。帰りはいつも午前0時を超え、タイムカードの行がズレるほど。冬休みの労働時間はたぶん350時間くらい。一日17~18時間働いていたような記憶です。

■私にとっての「クリスマス」

そんな感じなので、私にとっての「クリスマス」で真っ先に描くイメージは、なぜか”マッチ売りの少女”。窓の外は雪がしんしんと降っていて、寒さで指がかじかみ耐えられなくなると、焼き窯のところに行って感覚のない手を窯に押しあててホッとする、というのを繰り返している、何とも辛い記憶です。今思えば、この経験が今の自分の根っこを作ったのだと思います。内面的な思考と外面的に表現している形が違ったりするのも、今の性格の中にしみついている「何か」がそうさせているのかもしれません。

知識では得られない「体験からの学び」。とくに年少期の強烈な経験は、今となっては感謝しています。あの「歩きながら寝そうになる疲労感」は、もう味わいたくはありませんが(笑)、それも私の財産です。

今は「疲れる前に、ちゃんと休む」。これがいちばん。
心と体を大切にすること、何よりですね。

■次回予告

そんな私の日常業務は、「バームクーヘン」の穴に手作業でブランドシールを貼っていく仕事。これがまた凄まじくて…続きは、次回(^^)/

やこやこ

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